虫垂炎 盲腸

症状イメージ

虫垂炎のポイント
いわゆる「もうちょう」
●おなかの右下が痛くなるとはかぎりません
おなかの右下のあたり、盲腸の先端にある小さい突起が「虫垂」です。ここに炎症
が起こる病気が、「虫垂炎」。いわゆる「もうちょう」です。はじめ、おへその周りやお
なかの上のほうが痛くなり、だんだん痛みがおなかの右下に移ってきます。微熱が
出て、吐いたりすることもあります。この典型的な腹痛は55%くらいで、子供の場
合は痛み始める部位はいろいろで、幼児の場合は痛みを上手に表現することが
出来ず、どんな痛みかわからないことが多いです。前かがみになって痛がったり、
体を前屈しないと歩けなくなります。また、子供の虫垂炎は進行が早く、虫垂に
孔があいてしまうことが多いです。特に6歳以下の穿孔率は60~70%といわれて
います。痛みの訴えが正確でないことが多いので、診断が難しいです。

●発見が遅れると「腹膜炎」に
虫垂炎の発見が遅れると、炎症を起こした虫垂が破れ、内臓を包む腹膜にまで
炎症が広がり「腹膜炎」を起こします。こうなると熱が上がり、腹部が固くなり、放
っておくと命にもかかわります。腹痛や微熱、嘔吐があったら早めに受診してください

●治療は手術、場合によっては抗生物質
虫垂炎の手術は、炎症の軽いうちなら短時間ですみ、入院も1週間くらいです。
経過を見ながら抗生物質で治療することもあります。

●おなかを温めるのは、禁物
虫垂炎のとき、おなかを温めてはいけません。子供が「おなかが痛い」と訴えるとき
素人判断は禁物です。なるべく早く受診してください。子供の虫垂炎は診断が遅
れることが多い為に、腸に孔があいてしまうケースが多くなります。おなかが何時間
も痛み続けたり嘔吐がある場合は、早めに受診するようにして下さい。また階段を
下りたときなどにおなかに響いたり、おなかを押さえようとすると意識なくおなかの筋
肉に力が入り それ以上押されないようにする(筋性防御)がるときは手術が必要
となることもあるので至急病院にいかれてください。

●虫垂炎を疑ったときの注意点
①上腹部痛と吐き気を生じたときには、虫垂炎の可能性も忘れないこと。
②3時間たっても痛みが軽くならないときには、必ずもう一度診察に来てもらうこと。
③歩く姿勢が前屈みで右下腹部を押さえるような姿勢をとる場合、また上を向い
て横になりにくい時、右足で軽くジャンプすると右下腹部に痛みを感じること な
どがあれば虫垂炎が考えられます。
④このような時期には右下腹部を押さえても、強い痛みを生じやすくなります。