夜尿と昼間のおもらしのポイント

症状イメージ

●夜尿と昼間のおもらしとはどんな病気か
昼間に対して夜は腎臓がおしっこをつくるを抑えるホルモンが増え、作る量が昼間の6割くらい また膀胱の容量も1.6倍くらいになり寝ている時におしっこが多くないように調節されています。 このような夜間におしっかこの回数を減らすシステムは3~4歳くらいから作られていきます。夜尿症はこのシステムが未熟で よるにつくる尿の量をへらすホルモンが少なかったり、膀胱の容量が大きくならなかったりして起こるもので、遺伝的なものではありません 本人の自覚、親御さんの教育方針、夜間に無理矢理目を覚まさせていかせること自体が原因となるのではありません

●夜尿症にはタイプがある
尿量の多い「多尿型」
膀胱の溜めの悪い「膀胱型」
両者がみられる「混合型」
いずれにも該当しない「正常型」
の4つのタイプ(病型)に分けられます。
尿量が多い多尿型
夜間睡眠中の多尿の原因としては、2つ考えられます。大部分は、夜間睡眠中の抗利尿ホルモン分泌増加の発達が不十分なために尿を濃くする力が不十分で、うすい尿がたくさんでているものです(=低比重多尿型)。一部には、摂取する塩分量(時に蛋白量)が過剰で、濃い尿で夜間睡眠中の尿量の多いものがあります(=高比重多尿型)。

膀胱の溜めが悪い「膀胱型」
少ない尿量で膀胱が尿意を生じ(不安定膀胱あるいは過活動膀胱と言います)、膀胱容量が少なくなっているお子さんが存在します。膀胱容量が昼・夜とも悪いものと、夜間睡眠中だけ悪いものとが半々ぐらいです。

尿量が多くてかつ膀胱の溜めも悪い「混合型」とは
多尿型・膀胱型の両者の要因を持っているもので、実際には4つの組み合わせが考えられます。治療に時間がかかることが多く、比較的低年齢に多くみられます。

尿量、膀胱の溜めとも正常な夜尿症「正常型」
夜間尿量、膀胱の溜めとも年齢相応なもので、多くは夜尿の自立が近い状態で、夜尿の程度も軽く、早い時期に自立する可能性の高いものです。正常型の特殊な型として夜尿量が極端に少ないもの(少量型)があります。 お子さんの夜尿症のタイプを見極めることが治療していくうえで最も大切です。
昼間のおもらしと夜尿症の関係
昼間の尿失禁は、昼間に本人が知らないうちに尿を漏らすもので、パンツを少し汚す程度のものから大量に漏らすものまで程度は色々です。大部分のお子さんに夜尿症もみられますが、一部には昼間の尿失禁だけのお子さんもいます。夜尿症のタイプでは、膀胱型・混合型でみられます。

●夜尿症が治る時期は???
夜尿症が、いつ治るか(重症度)は夜尿をしている時間帯が最も影響します。個人差がありますが、平均的にみると夜尿が寝入りばな(就寝後)にある場合には5~6年後、夜中にある場合は3~4年後、朝方(起床前)のみにある場合は1~2年後で自立します。夜尿が寝入りばな(就寝後)にある場合、夜中にある場合にはほぼ連日夜尿がみられ、一晩に数回の夜尿があることも多いようです。朝方(起床前)のみにある場合は夜尿のない日もみられてきます。 夜尿の自立が遅れる要因として夜尿の時間帯、回数以外に昼間尿失禁の存在があります。昼間尿失禁と夜尿とがみられる場合には、まず昼間尿失禁が自立し、その後に夜尿が自立するのが一般的です。昼間尿失禁は、午前中から1日に何回も尿失禁がある場合には治るのに時間がかかります。夕方から夜にかけての尿失禁は比較的短期間で軽快します。

●病気により夜尿症になることがある
夜尿症(昼間尿失禁)の中にはまれに腎臓、膀胱、尿道、脊髄、内分泌、神経、精神などに病気があるものがあります。
(1)発育が遅れている
(2)膀胱炎(尿路感染症)に罹ったことがある
(3)昼間も夜間も間断無く尿が漏れている
(4)便秘がひどい
(5)便の漏らしがある
(6)お尻の皮膚に異常がある
(7)10歳を過ぎても昼間尿失禁がある
(8)睡眠時無呼吸症候群がある
(9)多動がある場合には精密検査が必要となります。
病気がある頻度は夜尿症全体からみると1%以下です。

●夜尿症の子どものつきあい方
夜尿をしていること昼間に叱ってみても、本人の自信をなくすだけで、夜尿の自立には何の効果もありません。 一般的なしつけとして生活上の注意をしたり、時には叱ったりすることは子どもの成長に大切なことです。そのことと夜尿の自立とは関係ありません。「叱るべき所は叱り」、「褒めるべき所は褒めて」立派なお子さんに育ててください。 夜尿が長引くお子さんはどんなに愛情深く、子どものことを考えた子育てをしても夜尿は改善しません。就学後も持続する夜尿は排尿機構の発達の未熟に基づく立派な機能的な病気で、決して愛情不足、本人の自覚不足などではありません。 世間の間違った考えに惑わされることなく、これまでの子育てに自信を持ってこれからも子育てをして頂きたいと思います。

●夜尿症は病院で治療した方がよいの???
齢が大きくなるに従い、この自然に治る確率は減ってきます。夜尿の治り方は年齢、性差、季節、夜尿の程度、病型、夜間尿量、膀胱容量の程度、昼間の尿失禁の有無、生活習慣などにより影響を受けますので、お子さんの夜尿が治る方に入るのか、治らない方に入るのかは現在の夜尿の状態を正確に把握できないと判断できません。 医療機関で適切な指導や治療を受ければ、治るスピードは3倍程度早くなります。少なくとも、小学校3年生以上で夜尿が高頻度にみられている時には、躊躇することなく専門の医療機関を受診して、今後の見通し、指導あるいは治療を受けることをお勧めします。