心気神経症

症状イメージ

心気神経症(ヒポコンドリー)のポイント
●心気神経症(ヒポコンドリー)とはどんな病気か
自分の身体的な健康について、過度に心配して思い悩む状態をいいます。自分の体の些細な変調を重大なこととしてとらえ、いくつもの医療機関を何回も受診することも少なくありません。とくに身体疾患がないのに、自分で神経質に考えすぎた結果陥っている状態で、神経症(ノイローゼ)というカテゴリーに入ります。 ある日、胸がドキドキして苦しくなる。次第に、息も荒くなり、肺に空気が入らない感じで、頭がボーッとして、手がしびれてくる。 今までにない体験で、死んでしまうのではないか、我慢していると気が狂ってしまうのではないか、という恐怖に襲われる。救急車で病院にいく。心電図をはじめ、色々な検査を受けても「異常ない」といわれる。 そういわれても、あんなに苦しかったのだから、どこか悪いはずだ。又あの苦しい発作がおこるのではないか、と常に不安を感じて、車に乗れなくなる。特に渋滞の道や、高速道路が恐くなる。新幹線にも乗れなくなり、狭い場所に入るのが恐くなる。今まで元気に動き回っていたのに、どうなってしまったんだろう。

●心気神経症の原因とは?
本人の性格や親子関係も含めた生活環境が発症に大きく関わっているといわれています。転校・転居などの環境の変化、あるいは身近な人物、たとえば祖父母などの病気や死を体験したことが誘因になることもあります。

●症状の現れ方
大人であれば“がんノイローゼ”代表的なものですが、子どもでは頭痛(頭重感(ずじゅうかん))、腹痛(腹部の不快感)、めまい、浮遊感、全身の倦怠感(けんたいかん)、手足の痛み、呼吸苦などを訴えます。その結果、不登校に至ることもあります。

●心気神経症の検査と診断
元来、神経質な性格傾向があるかどうかや、発症の状況などに加えて、小児科で必要な身体的検査を行い、身体疾患がなければ診断がつきます。多くの子どもが二次的にうつ状態になりますが、子どものうつ病の随伴症状であることもあるので、区別が必要です。

●心気神経症(ヒポコンドリー)の治療の方法
意識が自分ばかり向いています。病気を心配して静養ばかりしていると、不安による体の変化や暗示に加えて、注意や関心が体のことから離れないため、自覚的にありとあらゆる具合の悪さが感じられます。考えるより行動を 自分で 気になる症状により生活制限などにはしることが多いようです。家族の協力も大切 こどもの場合は母親の協力を得て、心配なことを聞いてあげたり、母親に甘えることができる状況をつくることによって元気が出るのを待つことも。抗不安薬や抗うつ薬を使う場合もあります。予後は一般的に悪くはありません。 胃が痛いと胃癌ではないか、と心配になる。頭が痛いと脳腫瘍ではないか、脳出血になるのではないか、と心配になる。胸が痛いと心筋梗塞ではないか、と心配になる。 このように身体の一寸した変調が、死に至る病ではないか、といつもビクビクして心配になってその都度医者にかけこむのが、心気ノイローゼ(心気神経症)です。 医者が検査結果を示して「心配要りません」と言っても、なかなか信用できません。何回も確かめるので、しまいに医者を怒らせたりすることになってしまいます。 息の長い精神療法と薬物療法をつづけることで治ります。 治療にあたった医師と患者の信頼の絆がもっとも大切です。信頼の絆があって、はじめて精神療法も薬物療法も効果を発揮します。まずは信頼できる医師との出会いがもっとも大切です。医師だけでは治せない。患者さんと医師がタッグを組み、効きが悪いときには効かないと 不安があれば、その不安感を、薬の数が多ければ また薬代が高ければそのことをきちんと伝えることができる医師患者関係が大切だと思います。 治ることを信じて、途中であきらめずに良くなるまでがんばりましょう。