アルカプトン尿症

症状イメージ

アルカプトン尿症のポイント
尿をおいておくと黒く変化する病気
●アルカプトン尿症はどんな病気か
アルカプトン尿症は、チロシンの代謝経路にあるホモゲンチジン酸酸化酵素という触媒(しょくばい)酵素の活性が生まれながらに低下している病気です。そのため患児では、尿中に大量のホモゲンチジン酸が排泄されます。 アルカリや自然酸化で黒色に変化します

●アルカプトン尿症の症状は?
最も特徴的なのは患児の尿を放置しておくと黒変するということです。患児のおむつが黒色に変化していることで気づくこともあります。これは尿中のホモゲンチジン酸が酸化されて黒色の物質に変化するためと考えられています。  成人以降にみられる症状としては、組織黒変症(こくへんしょう)と関節炎があります。組織黒変症はオクロノーシスと呼ばれ、20~30代に現れます。はじめは眼や耳に灰色がかった青い色素の沈着が認められ、年齢が進むと全身の軟骨、線維組織に黒色の色素の沈着が及びます。  関節炎は本症の晩期の症状で、40~50代に発症します。全身の大きな関節が侵され、運動制限、疼痛のために寝たきりの生活を余儀なくされる場合もあります。  本症では発育、発達が遅れたり、生命の危険がもたらされるということはありません。

●アルカプトン尿症の治療は?
残念ながら有効な治療法は見つかっていません。ビタミンCが色素の沈着を抑えると考えられており、多くの患者で投与されています。