突発性難聴

症状イメージ

突発性難聴の診断と治療のポイント
急激に耳が聞こえなくなる原因のわからない難聴
●突発性難聴はどんな病気か
内耳の蝸牛(かぎゅう)が何らかの原因により障害を受けたため、突然に生じる難聴を特徴とする病気です。その障害が内耳の前庭半規管(ぜんていはんきかん)にまで及ぶと、難聴にめまいが伴って起こります。

●突発性難聴の原因はなに???
原因は不明です。今のところ内耳の障害の原因としてウイルス感染説、循環障害説などが考えられています。

●突発性難聴の症状の現れ方
文字どおり突然に発生する難聴です。通常、片耳に発生することが多いのですが、まれに両耳に同時に発生することもあります。また、耳鳴りやめまいが難聴の発生と前後して生じることがあります。なお、めまいには吐き気や嘔吐を伴うことがあります。

●突発性難聴の検査と診断
突然に難聴が発生した場合、難聴の原因がどこにあるかを診断する必要があります。そのためには、耳鼻咽喉科での診察、耳のX線検査、純音聴力検査が必要です。場合により、精密な聴力検査や平衡機能検査も必要になります。
なお、突発性難聴では、聴力の改善・悪化を繰り返すことはありません。その場合には、メニエール病という病気が疑われます。聴神経腫瘍では、突発性難聴として初発する場合があります。聴神経腫瘍(ちょうしんけいしゅよう)が疑われる場合には、MRIによる画像診断が必要になります。

●突発性難聴の治療は???
難聴が発生してから、できるだけ早期に治療を開始するほど予後が良好である(聴力が改善する)といわれています。遅くても発生から2週間以内に治療を開始するのが望ましく、1カ月をへた場合には、予後は極めて不良になり、通常は著しい改善が望めません。
一般に、聴力が悪い場合、めまいを伴っている場合に予後が悪いことが知られています。
副腎皮質ステロイド薬、循環改善薬、ビタミン薬などの多剤併用療法を中心とした治療法が多くの病院で行われています。

デフィブラーゼ点滴療法という方法もあり有効性が高いですが、一般的には入院加療で行う事がおおく、外来加療で行ってくれる病院は少ないようです。同時に補助療法として高圧酸素療法を併用するとダメージを受けた組織も修復するので、これに関しては通院加療を行える病院もあるようです。 また針による突発性難聴の治療を併用すると効果があるという報告もあります。 感音性難聴には聴神経腫瘍、老人性難聴、ムンプス難聴、メニエル病があり鑑別することも大切です。