肘内障のポイント

症状イメージ

ひじが抜けた」状態
●手をひっぱったとき、ダランとなったら要注意
赤ちゃんや幼児の手をひっぱったとき、急に泣き出し、腕がダランとして上がらなくな
ってしまったら、「肘内障」です。肘内障は、ひじの関節の靱帯がずれた状態。骨
をつないでいる靱帯の未発達な乳幼児期によく起こります。 幼稚園程度の年齢
の子どもによく起こりますが、手を強く引っ張られたときに、腕がだらっとして、まるで
「ひじが抜けた」状態になることをいいます。これは脱臼ではなく、ひじの関節の細
い輪状の靭帯がずれた状態です。骨と骨とを輪のようにつないでいる靭帯が未発
達なために起こるもので靭帯が十分に発達する7才以降にはほとんど見られません
この状態になると、子どもは痛がって泣き、腕をダラリと下げ、ひじを曲げることができ
ません。あるいは、手のひらを後ろに向けた状態でじっとしています。

●すぐに、きちんと治療しておくことが大切
肘内障を起こしたら、すぐにきちんと治療をしておくことが大切。医師の治療を受け
ましょう。骨折をしているかどうか外見では判断しにくいことがあります。なる
べく早く整形外科に行って治してもらいます。
手のひらを上に向ける状態にして肘関節を支え、そっとひじを曲げます。すると
ひじの部分にコリッといった手ごたえがあるはずです。この音が、肘内障が元に
戻る音で、これでひじは元どおり曲がるようになります。ひじが戻っても、しばらく
は無理をさせず、様子を見ましょう。子どもがひじを自由に動かして遊ぶような
ら心配はいりません。くせになってしまったとしても、7才を過ぎると靭帯が強くな
り、たびたび起こすことはないでしょう。

●他の骨折との鑑別診断が大切です
他の骨折(上腕骨顆上骨折、上腕骨外顆骨折、橈骨頭脱臼など)との鑑別
(見極め)のためにレントゲン検査は不可欠です。整復操作時に「コクッ」と言う
音と共に整復されます。整復されると、急に泣きやみ、腕を動かします。整復の
有無は上肢の挙上(万歳が出来るかどうか)で判断します。

●自分で勝手に直したために手術になった例
父親がすこし知識がある方のようで、肘内障と判断、なおらないから整形外科
受診、肘関節がかなり腫れており、普通の肘内障ではなさそう。X線の検査を
すすめるも肘内障に間違いがないのでとることを拒否、なんとかお願いしてとらせ
てもらったところやはりかなりひどい骨折をむりに動かしたため骨が偏位、扱わずに
病院にこられていたらギブス固定だけでよい物を入院手術となってしまいました。
なおしてもらうのなら整骨師でなく整形外科が安全だと思います。