こどもの高脂血症・高血圧

症状イメージ

こどもの高脂血症・高血圧のポイント
高血圧
●肥満の増加と関係しています・おとなと同じ高血圧が子供に増えている
子供の場合は、腎臓や大動脈などに何か原因があって、高血圧になることがほとんど
ところが最近、病気がないのに血圧が上がる「本態性高血圧」が見られます。
本態性高血圧は、大人の場合と同じ生活習慣病。肥満症や高脂血症の増加と
関係がありそうです
●症状がなくても、高血圧は治療が必要です
たとえ症状がなくても、高血圧を放っておくのは危険。高血圧は、動脈硬化を進め、
脳卒中や心臓病の原因になります。子供のころに、こうした病気はでませんが、若い
うちに、大人になるまで高血圧が続けば、発病の可能性が高まります。

●おやつや食事は、塩分を控えめに
高血圧の食事療法のポイントは、塩分を控えめにすること。食べすぎによる肥満にも
注意します。子供たちの大好きなスナック菓子には、塩分が多く含まれていることが
多いもの。食事の塩分だけでなくおやつにも注意してください。かまぼこなどの練り製品
ハム・ソーセージ、干物、漬物など、加工食品は一般に塩分が強いので、食べるとき
は控えめにします。

高脂血症・脂質代謝異常
●血液中のコレステロールが、異常に高い状態
おとなの病気と考えられている高脂血症が子供にも急増中 これといった症状が出
ないので、検診や肥満検査などで見つかることが多いようです。血液中の脂肪分は
「コレステロール」とよばれ、ホルモンや細胞をつくる原料となる大切な栄養分です。
コレステロール値が高くなりすぎた状態が「脂質異常症」。こうなると動脈の壁に脂肪
分が付着しやすく、血液の通り道が狭くなります。これが動脈硬化です。

●家族性(遺伝性)と、食事が原因の二次性があります
脂質異常症には、おもに体質が原因の家族性のものと、おもに食事が原因の二
次性のものがあります。家族性の場合は、薬物治療などが必要になります。
二次性の場合は、食事を見直したり、肥満を解消したりします。

●高脂血症・脂質異常症は、放っておくと危険です
脂質異常症だからといって、自覚症状はないことがほとんど。ただ、放っておくと、動脈
硬化が進み、大人になってから心臓病や脳卒中など、さまざまな病気の危険性が高
まります。小児科で治療や指導を受けることをおすすめします。

●食事は肉より魚を多く、野菜も十分に
食事は、まず、食べすぎを改め、適正なエネルギーに。油料理は脂肪のとりすぎにな
るので、控えめにします。脂肪には肉に多い飽和脂肪酸と、魚に多い不飽和脂肪酸
があります。飽和脂肪酸はコレステロール値を上げ、不飽和脂肪酸はコレステロール
値を下げるので、肉より魚を多めにとります。
食物繊維はコレステロールを減らしてくれます。野菜は十分にとるようにします。

●お菓子やジュースのとりすぎに注意
お菓子やジュースは、血液中の脂肪分の一種である中性脂肪を増やすので、食べ
すぎないようにしてください。おやつはお菓子ばかりでなく、芋や果物なども取り入れて
みては。ただし、果物 みかんやスイカなどはとりすぎると中性脂肪を高めるので要注意

●恐ろしい年末年始の高脂血症
当院の例ですが、7歳の女の子年末12月25日から1月5日までの5日間で総コレステロール180→250 中性脂肪60→350 LDL(悪玉コレステロール)70→170 肝機能異常が出現、わずか11日間で脂肪肝になった例もあります。年末年始は夕食の後にケーキやエビ天年越しそばなど過食になりやすいので大人も子供も注意が必要のようです。