A 型インフルエンザに従来型と新型が B型も少数あり
頻度★★★★
要点
①家で風邪薬・鎮痛剤を飲ませると診断がつかない(発熱しないため)
②熱が出ない 医師も検査をしないと診断のつかない時もある
③自覚症状がなくても未治療だと感染性は高く 治癒後も数週間きつい
④インフルの薬服用後も高熱 下痢嘔吐 咳が止まらない時には受診を
⑤解熱しない 下痢嘔吐がある ぐったり 咳こむ時に点滴有効
高熱が続くタイプとすぐ熱が下がり自覚症状が軽いタイプあり
一度かかったから大丈夫はご用心を
①自覚症状が軽くすぐ解熱するタイプと高熱が続くタイプがある
インフルエンザは高熱が続くという考え方は医師にはありません。むしろ高熱が続くのは全体の3割とまた周りにインフルエンザ患者がいなくても36度前後の微熱でインフルエンザ陽性患者さんが増えています。また薬屋さんの頭痛薬・風邪薬で解熱するためインフルエンザと本人は気づかない例も多いようです。
②熱が出ないインフルエンザの未治療は周りも本人も大変
熱がなく自覚症状がなくても未治療だと感染性は極めて高く、また本人もインフルと気づかないため仕事場・学校で感染をひろめます。また未治療治癒後は本人も長期間の直すことのできないだるさが続くことになります
③発熱と同時に吐き気嘔吐などの消化器症状がつづくと重症
これがおこると脱水になり高熱が出やすい 細菌性で同様の症状がでる物があるので鑑別が大切です。またインフルエンザと細菌性胃腸炎の合併例もあります。
④解熱したにもかかわらず 咳がとまらない
インフルエンザと診断されて5日間たち熱はないのに難治性、間欠性、夜間増悪する 朝方多い咳が、解熱後も続くものがあります。咳喘息のような症状が長期に続く方もいます。吸入ステロイドが有効な時もあります。
⑤インフルエンザでないから安心は禁物
高熱の肺炎・扁桃腺炎・細菌性の急性胃腸炎との感染症も流行しています。インフルエンザでないから軽症で心配ないというのは禁物。連日の抗生剤治療が必要な重症な病気もインフルエンザ以外ではやっています。
⑥細菌性の感染症とインフルエンザがいっしょにかかる?
とくに今年は溶連菌感染症との合併が多い印象です。インフルエンザと診断がついたらインフルエンザの薬と解熱剤で大丈夫とは言えないのです。実際点滴の際に採血するとその3割は白血球、炎症反応もかなり高いものもあり 抗生剤の点滴を必要とするほどひどい物が増えています。インフルエンザと診断されて薬を飲んでいるのに高熱が続くときにはかかりつけ医に相談されてはいかがでしょうか。
⑦元気だから大丈夫という常識が通用しない 重症例も
元来食欲があり機嫌が良ければ軽症、インフルエンザでない、細菌性のひどい感染ではないという暗黙の常識が医師にも両親にも本人にもありましたが、元気だから軽症という常識が当てはまらない患者さんが増えています
スポーツ少年、少女、アスリートの大人に多く 本人は軽いと信じていても本日も白血球(23500)炎症反応(20以上 正常0.2以下)で入院となりました
どう対策するか かるくても3日以上かぜ症状(咳、鼻水、喉のかすれ、熱感(さむけまでなくても要注意))ときには熱を頻繁に測り、37.5度を1日のうち一度 超えるときには主治医受診を
またかぜと言われても熱が出たり、ぐったりしていたり再度受診して再インフルエンザ検査や、血液検査を受けた方がよいかもしれません。
当院の従業員の息子さんもインフルエンザと細菌感染(気管支炎)の重感染でした。元気だからと過信せずまたインフルエンザがなおったから大丈夫とも安心せず自分の体の異変にはより注意をはらってください。
⑧インフルエンザの時も 解熱後もつづくしつこい咳
肺機能検査では喘息の症状も
とくに喘息性気管支炎、または咳喘息のような咳が抗ウイルス薬をつかいおわり学校に登校可能になってもえんえんと続きます。
咳喘息に準じた治療
吸入ステロイドを使用しないととまらない咳も珍しくありません。
インフルエンザだから抗ウイルス薬をつかったらもういいと考えず、きちんと咳のコントロールをすることが咳を慢性化させ咳喘息などに移行にしないコツだと思います。
インフルエンザが治りました、と登校したときにガンガン咳が出ていたらしゃれになりせませんよね(*^。^*) 咳出ているときっとみんな離れて行きそうです(笑)