慢性腎炎・慢性糸球体腎炎・IgA腎症

症状イメージ

慢性腎炎・慢性糸球体腎炎・IgA腎症の診断と治療のポイント
なおるのに時間がかかります
症状がはっきりせず発病がわかりにくい病気
慢性腎炎は、はじめ症状がはっきりせず、血尿も肉眼ではわからないため、いつ
発病したかわかりにくい病気です。子供の場合、幼稚園や学校の検尿で見つ
かったりすることが多いようです。子供に多い慢性腎炎は、IgA腎症といわれるもの。
かぜをひくたびに、血尿をくり返すのが特徴です。

症状が進むと、体がだるく、食欲低下
体のむくみと血尿・たんぱく尿 高血圧に注意
6カ月以上、血尿やたんぱく尿が見られます。むくんだり、血圧が高くなる場合
もあります。症状が進むと体がだるく、食欲がなくなったり、頭痛(頭重感)、
肩こり、めまいなどをを訴えたりするようになります。

IgA腎症とは
慢性腎炎の半分を占める病気
10代後半から30代前半に多い。糸球体(腎生検による)にIgAという免疫グロ
ブリンが沈着しているため、IgA腎症と呼ばれています。IgA抗体が沈着して
発症すると考えられています。半数は血液中のIgAが上昇していますが、血尿
がほぼ必発の所見です。さらに30%では肉眼的血尿まで認められ、多くは上
気道感染や腸炎の2~3日後に出現します。たんぱく尿はあっても軽度で、
ネフローゼ症候群や高血圧を合併する頻度はわずかです。

I慢性腎炎の予後は
20~30%が5~20年で腎不全になるものも
予後の悪い例は、
①たんぱく尿0.5g/日以上、
②血清クレアチニン1.3mg/dL以上
③収縮期血圧140~160mmHg/拡張期血圧85~95mmHg以上、
⑤クレアチニンクリアランス80mL/分以下 で糸球体組織変化が強いとい
われています。継続的に通院治療を受けるべきです。

慢性腎炎の治療
血尿、たんぱく尿、浮腫、高血圧に要注意
子供のストレスを解消することが大切 早い時期に発見し、免疫抑制剤やス
テロイド剤などの治療を受ければ、約半数の子供は3年くらいで治ります。
安静・保温に気をつけ、塩分・タンパク質の少ない食事で治療します。生活面
の制限があり、療養期間が長くなるので、子供がストレスをためないようにする
ことが大切です。