ばね指・弾発指(だんぱつゆび)・つき指(突き指)・マレットフィンガー

症状イメージ

ばね指のポイント
親指がまっすぐ伸ばせない状態
●親指の第一関節が、曲がりっぱなし
ばね指は、正しくは「弾発指(だんぱつゆび)」といいます。手の親指の第一関節
が曲がったまま、まっすぐに伸ばせない状態。両手ともになる場合と、片手だけの
場合と、割合は半々です。
●指の付け根の腱が、太くなって起こります
指がまっすぐに伸ばせないのは、親指の根元の腱が太くなっているため。腱が太く
なる原因ははっきりしませんが、3~4割は自然に治ってしまいます。無理に伸ば
そうとすると「ポキッ」などの音がしたりしますが、痛みはありません。
●1歳をすぎても治らなかったら
手指が発達するにつれはっきりしてくる症状なので、お母さんが最初に気づくことが
多いのですが、ほとんどは自然に治ります。1歳をすぎても治らない場合は、親指
に副木を当てて矯正。この矯正もとりあえず夜だけで十分で、2カ月くらい続ければ
ほとんど治ります。もしもこれで治らなかったら、手術をすることもあります。
大人の場合は局部に注射して腫れをとったり、急性期を過ぎてからマイクロフェーブ
や低周波、レーザーなどで消炎鎮痛をはかることもあります。

つき指のポイント
いうなればゆびのねんざ
●ボール遊びなどのスポーツをしているときに起こります
ボール遊びで指に激しくボールがぶつかるなどして起きる、いわば「指のねんざ」です
指先の関節がはれて、痛くなります。軽いつき指なら、冷やして動かさないようにし
ておけば治ります。突き指を発症すると、部分的に指が短く見える事があり、引っ
張って元に戻そうとする方がいますが、これは適切な処置ではありません。
突き指は、指関節の靭帯が損傷です。指関節に血液が集り内出血がおこると
大きく腫れます。放置すると症状は悪化するので迅速な応急処置が大切です。
受傷直後のテーピングは内出血の圧迫から指血管の損傷を招くことも
突き指のテーピング法
①アンカー
突き指のテーピングはまず、アンカーを「関節をまたいで」巻きつけます。アンカーと
は全てのテーピング処置の基本となるテープラインの事です。アンカーの巻き方は
指に沿って巻いていき、例えば第2関節を突き指した場合は、第一関節と第二
関節の中間の肉厚の部分と、第2関節と第3関節の肉厚の部分に巻きつけます
②クロステープ
次にこのアンカーの両サイドからクロスするように双方のアンカーに向けてテーピング
を貼ります。見た目としては、受傷した第2関節部分の上でクロスしているイメージ
です。クロステープのポイントとしては、指を軽く曲げた状態でテーピング固定を行う
ことです。きつすぎると血液の循環を損なうこととなりますので注意が必要です。
③固定
次に、クロスしたアンカーテープの上に、指の甲面の指先側から手首側に向けて
テープを貼ります。

このテープの働きにより、指の屈曲動作の際の可
動範囲がかなり制限されます。
④サポート
最後にもう一度、アンカーと同様に、今度はクロステープを先に貼り、最後に指
に沿って再度アンカーテープを貼り付けます。指の固定状況を確認し指が曲げる
ことが出来ない状態で固定されていればOKです。
●突き指による骨折
突き指による亀裂骨折・部分骨折突き指は、打撲程度の軽度の症状から、亀
裂骨折、部分骨折などの大きな怪我につながることもあります。亀裂骨折などの
時には痛みも腫れも大きくなるので判別は比較的容易です。しかし、部分的に
骨が剥がれるマッレトフィンガーなどの障害が発症している場合は、症状を確認し
づらい事もよくあります。
マッレトフィンガーについて
マッレトフィンガーとは第一関節・第二関節を固定している指先の靭帯組織の骨
の付着面に骨がくっついた状態で剥がれ落ちる骨折のことです。指先側の骨の付
着面が剥がれ落ち、靭帯にくっついた状態で遊離してしまうことから、治りにくい障
害です。マッレトフィンガーは、絶対安静が原則です。安静を保った場合、遊離し
た骨は1~2週間で元に戻ります。