腎のう胞(単純性腎のう胞)
偶然発見されるほとんど無症状の腎臓ののう胞
頻度★★
要点
①偶然エコーなどで発見されるほとんど無症状の腎臓ののう胞
②大きいと水腎症や血管圧迫による高血圧などが発症することも
③ごくまれに悪性腫瘍(ガン)の合併もあり
④治療が必要となることは少ないが、圧迫や感染が問題となるときには腹腔鏡や経皮的穿刺(皮膚から刺して)により抜いて圧迫をなくすなどの治療を行うこともある
(1)単純性腎嚢胞とは
腎嚢胞とは腎実質内に液体が貯留した嚢状の袋をいいます。片側あるいは両側の腎臓に1〜数個の嚢胞(嚢胞液という液体が詰まっている袋)ができる病気です。袋の内容物の液体は、血液が濾過(ろか)された成分とほぼ同じで、単発のこともあれば多数の場合もあります。また、嚢胞は小児ではまれであり、加齢とともにその発生頻度が増し、40歳ではCTスキャンなどで約50%の人に確認されます。遺伝性はありませんが、その発症メカニズムについてはわかっておらず尿細管の憩室からできるとも言われています。通常は無症状でほとんど問題になりませんが、嚢胞による圧迫症状や高血圧、水腎症、血尿を来す時は、嚢胞液を穿刺吸引後にアルコールなどで固定したりするなどの外科的処置が必要となることもあります。
(2)単純性腎嚢胞の症状
自覚症状は、嚢胞がよほど巨大にならないと腹部膨満感や腹痛は起こりません。嚢胞による圧迫で腎動脈などが圧迫されレニンというホルモン分泌が亢進し高血圧や、赤血球増加症などがごくまれに起こる事があります。大きな嚢胞が腎盂(じんう)の近くにできたものは水腎症(すいじんしょう)を来しやすく、水腎症を起こすと尿が停滞し、腎盂は腫大して嚢状となります。腫大した腎盂により腎実質が圧迫されると、次第に腎実質が薄くなり(乏しくなり)、腎機能障害が生じることがあります。
(3)単純性腎嚢胞の診断
近年では、健康診断などで腹部エコー検査が普及しており、またCTスキャンなどで偶然腎嚢胞が発見されることがほとんどです。。
時に、嚢胞が感染を起こし、持続する発熱、側腹部痛、膿尿(のうにょう)などが出現することがあります。悪性腫瘍がごくまれに一般に、嚢胞と合併することがありますがは2~4%程度であり、嚢胞壁より悪性腫瘍が発生することはまれです。
(4)単純性腎嚢胞の治療
圧迫症状、高血圧、尿路の閉塞などがあれば、外科的切除、開窓術、経皮的穿刺による吸引固定、腹腔鏡下嚢胞切除(ふくくうきょうかのうほうせつじょ)などが行われます






