2. 視空間(VSI)空間認知の苦手:家庭・学校で見つかる10のサインと対処法
「見た情報を正確にとらえる力(空間認知)」の偏りは、手先の不器用さ、運動の苦手さ、片付けられないだらしなさとして目に見えやすい部分です。よくある10の具体的な場面と、それぞれの解決策をまとめました。
① 黒板の文字をノートに書き写すとき、どこを書いているか見失う
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【サイン】 板書をするときに、黒板とノートの間で何度も視線を往復させているうちに「いまどこを読んでいるか」分からなくなり、書き写すのに膨大な時間がかかる、または書き飛ばしが多い。
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🤝 家族・学校の対処法:
学校では、黒板の「いま書くべき場所」をチョークのマグネットなどで囲って目立たせてもらいます。また、手元で見られるように「板書内容を印刷したプリント」を配布したり、タブレットで写真を撮って手元で拡大しながら書かせる配慮が効果的です。
② ノートのマス目や枠線からはみ出して、文字や図形がグチャグチャになる
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【サイン】 文字のバランス(偏とつくりの大きさなど)が悪く、マス目の中にきれいに収まらない。算数の図形問題で、見本の通りに立方体や三角形を描くことができない。
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🤝 家族・学校の対処法:
一般的なノートの細い線が見えづらく、空間を把握できていません。マス目が大きく、境界線が太くてハッキリしたノート(または十字の補助線が入ったもの)を用意します。図形を描くときは、点と点を結べば形になる「点つなぎの用紙(ドットペーパー)」を補助として使いましょう。
③ 教科書を音読するとき、行を飛ばしたり同じ行を何度も読んだりする
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【サイン】 国語などの音読で、上の行から下の行へ視線をスムーズに移動させることができず、途中で文章が繋がらなくなってつまずいてしまう。
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🤝 家族・学校の対処法:
視線が迷子にならないよう、「いま読んでいる行」だけが見えるようにくり抜いた「読書スリット(リーディングルーラー)」や、太めのしおりを教科書に当てて、1行ずつ下にずらしながら読むようにサポートします。
④ お片付けや整理整頓が苦手で、机の上やカバンの中がいつも大爆発する
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【サイン】 「カバン(机)の中をきれいにしなさい」と言われても、プリントや教科書、ゴミが何層にも積み重なり、必要なものをすぐに見つけられない。
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🤝 家族・学校の対処法:
「空間を区切って配置する」というイメージが頭の中で描けません。引き出しの中を100円ショップのトレイなどで細かく区切り、「ここにハサミ」「ここに鉛筆」と、底面に写真やイラストのシールを貼って戻す場所を固定(視覚的構造化)します。カバンの中は、色違いのインナーバッグで教科ごとに分けるのが有効です。
⑤ 自分の部屋で、よく家具の角に体をぶつけたり、物をひっくり返したりする
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【サイン】 廊下を歩いていて壁に肩をぶつける、机の上のコップによく手が当たって中身をこぼす、足元の段差に気づかずよくつまずく。
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🤝 家族・学校の対処法:
自分の体の幅や長さと、周囲の障害物との「距離感」を正確に測るのが苦手です。家具の配置はできるだけ動線を開放し、よくぶつかる角にはクッション材を貼ります。コップは底が広くて倒れにくいマグカップや、重みのあるものに変えるだけで家庭でのプチストレスが激減します。
⑥ 球技(ドッジボールや野球)で、ボールをキャッチできない・バットに当たらない
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【サイン】 飛んでくるボールに対して、手を出すタイミングが早すぎたり遅すぎたりする。落ちてくる位置を予測して回り込むことが苦手。
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🤝 家族・学校の対処法:
動いている物体と自分との立体的な距離感を計算するのが苦手です。運動神経のせいにして責めず、まずはスピードがゆっくりで軌道が見えやすい「大きめの風船」や「柔らかいスポンジボール」を使って、目の前でキャッチする感覚(目と手の協調運動)を楽しく育てることから始めましょう。
⑦ 衣服のボタン掛け、靴紐結び、ハサミや定規の操作が極端に不器用
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【サイン】 手元をじっと見ているのに、ボタンが穴にうまく通せない。工作の時間に、左手で紙を回しながら右手でハサミを動かすような「両手の連動」ができない。
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🤝 家族・学校の対処法:
目で見た情報に合わせて手先を微調整する力が弱いためです。服はマジックテープ仕様や大きめのボタンのものを選び、靴はダイヤル式やゴム紐のものにします。定規を使うときは、裏面に滑り止めのシールを貼ってあげると、左手で押さえる力が弱くてもズレずに線が引けるようになります。
⑧ 地図を見ても自分の現在地が分からず、道に迷いやすい
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【サイン】 学校の遠足や校外学習のマップを見ても、自分がどちらを向いているのか分からない。曲がり角に来ると、右に行けばいいのか左に行けばいいのかパニックになる。
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🤝 家族・学校の対処法:
頭の中で地図を回転させて、実際の景色と一致させることが苦手(心的回転の弱さ)です。地図は「上が北」の固定ではなく、「自分が進んでいる進行方向が上」になるようにスマホのナビアプリを設定するか、地図自体を自分の体の向きに合わせて回転させて持たせるように教えます。
⑨ 算数の「筆算」で、桁(けた)がズレて計算ミスを連発する
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【サイン】 計算のやり方は分かっているのに、足し算や引き算の筆算を書くときに、一の位と十の位の縦のラインが斜めにズレてしまい、間違った数字同士を計算してしまう。
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🤝 家族・学校の対処法:
縦と横の整列を目でとらえるのが苦手です。計算スペースには、「方眼紙(マス目のあるノート)」を使い、1マスに1つの数字を必ず書くというルールを徹底させます。学校のテストでも、筆算のスペースに薄く縦線を引いてあげるだけで、ミスが劇的に減ります。
⑩ 服を前後・裏表を逆に着ていても、本人は全く気づかない
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【サイン】 朝、自分で着替えた服のシャツが前後逆だったり、靴下が裏返しだったりすることが日常茶飯事で、指摘されるまで本人は何のおかしさも感じていない。
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🤝 家族・学校の対処法:
服の立体的な構造やタグの位置を目で確認して、自分の体にどうフィットさせるかを判断するのが苦手です。「ちゃんと見て着なさい」と怒るのではなく、「タグがある方が後ろだよ」「キャラクターの絵がある方が前だよ」と、明確なワンポイントの目印を教えてあげる、あるいは目印のシールを内側に貼っておくのが効果的です。
この「視空間認知」のつまずきは、大人が「何度言ったらできるの!」と感情的になりやすいエリアですが、こうして脳の仕組みとして具体例を示すことで、保護者や先生方も「攻めるのではなく工夫すればいいんだ」と納得しやすくなります。






