はしか(麻疹)の特徴
◎カタル期
最初 3~ 4日は、カタル期といわれ、38~40℃の熱がでて、咳、鼻汁、くしゃみがひどく、また、白目が赤くなったり、眼ヤニが出たり、まぶしがります。
発疹が出る 2 ~ 3日前、頬の内側の粘膜(下の奥歯の辺り)に、回りに赤みを伴うやや盛り上がった白いプチプチ
(コプリック斑)がみられます。
◎発疹期 次は発疹期といわれ、体温はちょっと下がりますが、再び上がり39~40℃の高熱が続きます。同時に赤いぶつぶつが耳の後から顔、体、腕や脚へと広がります。ぶつぶつは、小さくやや盛り上がりがあり、お互いにくっつきあいます。
なお、発疹期は発疹出現後72時間程度持続しますが、これ以上長い発熱が続く場合には細菌による二次感染の疑いがあります。また、重症になると、肺炎や脳炎になることがあります。また、中耳炎になることもあります。 再発熱とともに赤い発疹がまず耳の後ろ、首や顔に現われます。その後身体から手足に出て、2~3日で全身に広がってゆきます。発疹は鮮紅色で、やや隆起しています。
発疹は段々大きくなって盛り上がり、やがて発疹同士がくっついてまだらになります。 この頃が子どもとって一番つらい時期で、発熱・発疹の他、咳・鼻汁もいっそう強くなり、下痢を伴うことも多くあります。
また、口腔粘膜が荒れて痛みを伴います。これらの症状と高熱に伴う全身倦怠感のため 経口摂取は不良となり、特に乳幼児では脱水になりやすいので注意が必要です。
麻疹は成人にもかかり、成人でも重症化することがあります
湿疹についてはとくに塗り薬などの必要はなくあとも残りません
◎回復期 解熱後も咳は強く残りますが、徐々に改善して来ます 回復期といわれ、熱がしだいに下がり発疹は退色後、色素沈着を残すものの、5~6日程で皮が剥けるように取れるとも報告されています。 なお、回復期2日目頃までは感染力が残っているため、学校保健法により解熱後3日を経過するまでは出席停止の措置が取られています。
怖いはしかの合併症
体力を消耗し抵抗力も弱まっているので、はしかは合併症を起こすことがあります。
はしかに感染・発症すると、ウイルスがリンパ球などで繁殖して一時的な免疫力低下が起こるため感染症に罹りやすくなるのです。
また、細菌による二次感染の危険性もあります。
はしかの主な合併症として、気管支炎や肺炎、中耳炎、脳炎があります。患者100人中、中耳炎は7~9人、肺炎は1~6人に合併します。脳炎は1000人に2人の割合で発生が見られます。また、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という慢性に経過する脳炎は約5万例に1例発生します。
最悪の合併症 亜急性硬化性全脳炎
亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis:SSPE):
この病気は麻疹に感染後数年してから発症し、ゆっくりと進行する予後不良脳炎です
はしかに罹った人の数万人に1人が発症すると言われています。
麻疹後6~8年、麻疹ウイルスが脳細胞に潜伏持続感染する疾患、遅発性ウイルス
感染症のひとつです。小児(大半が12歳以下、ピークは6歳)におこります。麻疹ウイ
ルスの突然変異により起こり、症状は。性格変化、知能低下、ミオクローヌスてんかん
そして精神異常、視力障害、痙攣、昏睡、死亡となる恐ろしい病気です。
検査としては
①髄液検査(麻疹抗体価↑↑、γグロブリン(IgG)↑)
② 脳波所見Periodic Synclonous Discharge(PSD) 周期性同期性
放電 CJD では鋭波で、周期性同期性放電 SSPE では徐波となる 脳波の異常
●治療法と予後は
治療法は抗ウイルス剤(インターフェロン、イノシンプラノベクス)で予後の悪い、
発症後6~9ヶ月で死亡する恐ろしい病気です。
はしかに罹ったら~おかあさんへのお願い~
①熱を 朝 昼 晩 と1日三回は測る
②おしっこの量やいろ 発熱時の汗の出方、とれている食事の量などを記録する
③まめに水分を それも いろんな種類を与えてください
単なるお茶より カルピスウォーター、ヤクルトなどの方が血糖があがって本人が楽になります
また食事が食べられないときには アイスクリームやチョコなどの血糖があがるものがよいでしょう
室温や布団のかけ方は本人の希望に合わせてかけ、むやみに布団蒸しなどにするとかえって高熱
になったりします
なおるのはいつ? 学校にいけるのはいつ
はしかは学校伝染病なので、解熱してから3日経つまで登校(登園)出来ません。
熱が下がったからといっても、まだ身体の抵抗力は弱まっているので、外出するのは避けましょう。
かなり体力を消耗しますので、なるべく室内で静かに過ごすことが大切です。
はしかが完治するまで10日~2週間ほどかかることが多いようです。
登園・登校は熱が下がって三日以上経ってからですが、かかりつけのお医者さんとよく相談して決め
ましょう。