心内膜床欠損のポイント

症状イメージ

●心内膜床欠損はどんな病気か
心内膜床は心房中隔(しんぼうちゅうかく)下部、心室中隔(しんしつちゅうかく)流入部、心房心室を分ける房室弁(ぼうしつべん)を形成する部分で、ここの異常により、心房中隔欠損(一次孔)、心室中隔欠損、房室弁の異常を生じるものです。先天性心疾患のうち約4%を占めます。  房室弁の異常により完全型と不完全型に分類されます(図8)。心房中隔欠損、心室中隔欠損、房室弁異常に伴う房室弁逆流の程度により心臓や肺に負担を生じ、治療が必要になります。

●心内膜床欠損の症状の現れ方
重症の場合は、比較的早い時期にミルクの飲みが悪い、体重の増えが悪い、汗が多い、多呼吸といった心不全症状が現れます。軽症の場合には心不全症状が現れる時期は比較的遅く、しばらく無症状のこともあります。

●心内膜床欠損の検査と診断
X線検査、心臓超音波検査、心電図検査などが行われます。手術が必要な場合には、心臓カテーテル検査が行われます

●心内膜床欠損の治療は?
心不全症状に対し強心薬、利尿薬などの内科的治療が行われます。しかし基本的には外科治療が必要になり、内科的治療は手術に向けての暫定的な治療となります。  症状や検査結果により治療方針を決定していくため、治療の時期は重症度によりさまざまです。心臓カテーテル検査を行い、手術の可否や方法を決定します。