伝染性単核症

症状イメージ

伝染性単核症のポイント

頻度★
要点
風邪と間違えられやすい病気
のど・肝臓・脾臓の腫れ

肝機能増悪・食事が取れない・高熱が続くときには入院も
慢性化は重症

伝染性単核症の原因は?
EBウイルスやサイトメガロウイルス感染によるものです
母親からうつるので要注意。 唾液や飲みものの飲みまわしなどによってうつります。乳幼児期に EBウイルスの初感染を受けることが多く、2~3歳児までに知らない間にかかっていたりします。20歳代の90%に抗体があるともいわれています再感染はしませんが 免疫力低下により発症することも 場合によっては入院となることもあります。
伝染性単核症の症状は?
ほとんどかぜの症状に似ています。
主な症状は、発熱、咽頭痛、頸部リンパ節腫脹などです。肝臓脾臓の腫れにより吐き気やものが食べられない 腹部膨満感が続く事もあります。
全身のだるさ、まぶたのはれ、吐き気、鼻づまり、発疹などがみられます。
発熱は数日~数週間。予後良好ですが、合併症も。

伝染性単核症の治療と合併症
伝染性単核症の治療
治療は対処療法が主体です。
発熱には解熱鎮痛薬
肝障害には肝庇護薬を用います。
抗生剤は発疹を誘発するペニシリン系抗生剤以外を。逆に ペニシリン系抗生剤投与後のびまん性紅斑により診断がつくことも
扁桃肥大で呼吸障害、脾臓腫大、心筋炎や中枢神経系合併症、溶血性貧血があれば
ステロイドが適応となります。

伝染性単核症の合併症
中枢神経合併症
ギラン・バレー症候群・顔面神経麻痺・髄膜脳炎・横断性脊髄炎・
末梢性脊髄炎・視神経炎・ Reye症候群・亜急性硬化性全脳炎
肝・脾合併症
肝炎・多発性肉芽腫・脾破裂
心合併症
心筋炎・心膜炎
血液合併症
溶血性貧血・血小板減少症・再生不良性貧血・DIC
脾合併症 脾破裂
肺合併症
肺浸潤・気道閉塞症

伝染性単核症の自宅看護は? 

●肝機能障害があれば、軽快するまで安静を。 入院となることも。
●肝臓と脾臓が腫れていれば、打撲によって臓器の破裂を。
●熱や痛みに対しては、解熱・鎮痛剤の頓用を。
●食事は、高タンパク (白身魚や豆腐など)、消化の良い物
●ノドの痛みが強い場合は、酸味、刺激物を避ける

慢性活動性伝染性単核球症は恐い
きわめてまれですがは 発熱 肝脾腫 頸部リンパ節腫脹が長期に持続 再発する場合は重症です。
そのほか,代表的な症状・徴候として,肝障害,貧血,血小板減少,脾機能亢進症,発疹,ぶどう膜炎,口腔内潰瘍,唾液腺炎,心筋炎,冠動脈瘤などがある.蚊刺過敏症や種痘様水疱症などの皮膚症状を伴うこともあります。