おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)の特徴
おたふくかぜ(=流行性耳下腺炎)は、ムンプスウイルスに感染することで発症します。
症状があらわれるまでの期間は約2~3週間です。
れます。とくに1歳以下の乳児では、不顕性感染が多いといわれています。
感染する年齢では、3~10歳の小児にもっとも多くみられます。
くしゃみや咳などでかぜの感染とおなじウイルスが飛び散る飛沫感染(空気感染)
接触感染でうつるため、保育園、幼稚園、小学校など、子どもがたくさんいる場所で流行する傾向があります。
症状の現れ方
おたふくかぜの特徴は、耳下腺部(耳の下、頬の後ろ側、あごの下)の腫れです。
一般的には片側からはじまり、1~2日間で両側が腫れてきます。片側しか腫れない場合もあります。
最初の1~3日間は、腫れている耳下腺部が痛みます。
腫れと痛みがひどい場合は、食べ物をかめない、飲み込めないなどの症状があらわれます。
耳下腺部の腫れは1週間~10日間でおさまります。また多くの場合、発熱もみられます。
発熱による頭痛、腹痛などがあらわれる場合もあります。
反復性耳下腺炎との見分け方が難しい
原 因 はっきりとした原因は不明ですが、耳下腺の先天性異常、唾液停滞、アレルギー反応、ウイルス感染、内分泌の異常など多くの発症要因が推定されます。
また上気道感染や疲労によるもの、虫歯によるものもあります。
基本は細菌感染です。
ですからおたふくかぜとの鑑別は、抗生剤投与での経過観察で見分けることができます。
年 齢
早いものでは1歳未満より発症し、5~6歳でピークが存在します。
1年間に1~5回の耳下腺の腫れを繰り返し、それが5年以上にわたって生じ、思春期以降は症状がなくなります。 シェーグレン症候群などでも腫れるため鑑別が必要となることがあります
症 状
耳下腺の腫れが特徴で、通常腫れは片側のみの場合が多いが、両側に見られるもの、または交互に腫れる場合もあります。
腫れは1~2日で消失するものもあるが、1ヶ月以上持続することもあります。
その腫れは ,おたふく風邪より硬く痛みは軽く赤みもありません。
熱は37.0℃台の微熱程度で,何度も腫れを繰り返す場合、熱はありません。
何度も感染するの
反復性耳下腺炎なら何度でも
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は一度しかかかりません しかし反復性耳下腺炎なら何度でも感染します 反復性耳下腺炎はおたふくとは全く別の病気です おたふくかぜと医師が確信し抗生剤なしで治療した場合、おたふくかぜと同様7日間以上腫れが続くため鑑別が困難です。 おたふくかぜ(ムンプスウイルス)に感染すると、からだの中に抗体ができるため、その後はおたふくかぜを発症することはありません。
しかし、おたふくかぜと同じように、感染することで耳下腺部が腫れるウイルス(コクサッキーウイルス、サイトメガロウイルスなど)もあり、 症状だけではおたふくかぜとの判別が難しい病気もあります。
何度も耳下腺部が腫れる反復性耳下腺炎という病気もあります。
また、おたふくかぜにかかったことがないと思われている場合でも、症状がでなかっただけで、実際は感染した方も少なくありません。
おたふくかぜにかかったことがあるかどうかは、血液検査をし、ムンプス抗体を測定することで確認できます。
耳下腺部の腫れ、発熱など、おたふくかぜが強く疑われる症状がある場合、ムンプス抗体検査は保険適用となります。
なおるのはいつ? 学校にいけるのはいつ
耳下腺の腫れがひいてからです
耳下腺をご両親がふれることができる間は感染力があるため登校、登園禁止です。 反復性耳下腺炎で抗生剤が投与されていれば5日間以内に腫れが引くため、おたふくかぜとの鑑別ができます。 おたふくかぜの時には抗生剤投与しても7日間から12日間前後がおおいですが、3週間以上も腫れることが多いようです
よぼうできるの?
小学校入学前にワクチンを
大人になり感染すると重症化するため、小学校入学までにかかっていなければワクチン接種をおすすめします
<ムンプスウイルスの感染期間(人からうつる、または人にうつす期間)は、耳下腺部の腫れがあらわれる前後5日間と考えられています。
耳下腺部の腫れる前、または不顕性感染で症状がでていない人では、ムンプスウイルスに感染しているかどうかがわからず、その間に他人にうつしてしまう場合があります。
予防接種(おたふくかぜワクチンの接種)をすることでからだの中に抗体をつくり、おたふくかぜにかからないようにすることは可能です。
おたふくかぜワクチンによる予防効果は約90%と考えられています。
また感染することがあっても、比較的軽症となる場合が多いです。