アトピー性皮膚炎の特徴

症状イメージ

かゆみの強いアレルギー性の湿疹 かくことでさらにひどくなる
皮膚のやわらかい部分、触りやすい部分にできます
かゆみの強い湿疹が頭、顔、首、ひじの内側、ひざの裏側など、やわらかい部分にできてきます。
赤ちゃんは頭や顔。ジクジクと湿って、かさぶたのようになることも。
1歳をすぎると手首、足首から、ひじの内側、ひざの裏側へにもできるように。
湿疹は乾いてカサつき、かゆみはますます強くなっていきます。
耳たぶの付け根が切れる「耳切れ」も、よく見られます。

アトピー性皮膚炎は直す前にまずコントロールを
医師と共に立ち向かうか 迷信と民間療法で一人で治療するか
アトピーを治したい、でも何をしんじたらよいかわからない、医者によって言うことが違う、家族や両親は民間療法をすすめる、ステロイドと言えば理由を知らずにやめろと言う。
アトピー性皮膚炎と立ち向かうとき、母親は常に迷いと不安の中にいます

アトピーの治療はまず患者さん自身が信じられる、しばらくでもよいからその通りにやってみようとおもえる医師との出会いから始まると思います。
アトピーには様々な情報が溢れていますが、患者さんを直接みてだされた治療ではありません。
誰かが効いたからうちの子にも必ず効くとならないんです。
効かなかったり不安にきちんと答えてくれる、ただ質問した後はその通りに実行する、気になる、相性の良いお医者さんとタッグを組んで立ち向かう準備をします。

アトピーの治療の方法は
①まず傷と炎症を治す
飲み薬、外用薬、保湿剤を使ってかゆくないようにすることがポイントです。
本人もかかないように、またかいても傷か残らないように爪の手入れをする。
これにより皮膚の傷を治す 傷が治らないのは治る前にかくからです。
かゆみのコントロールこそ大切。
かかずに皮膚の自然治癒する時間を与えることができれば傷が治っていきます。

かゆくないのにかいてしまうアトピーの人の不思議
かきたくなるようなストレスがなにかをみきわめることも大切です ノートをつけてアトピーを治した方もいました。
かくたびにかゆみの強さ、かいた回数、かいた場所をノートにつけていきます。
するとあまりかゆくないのにかいていた自分に気づき、少しずつかゆくないのにかくのをやめることができたそうです。
この病気はかゆくないのにかくことを減らすことが難しい病気なんです。
精神的な安定、規則正しい生活が大切。不眠や過剰のアルコール、運動不足、多忙、過労など生活全体を良い方に持って行くことが大切です。
心療内科的疾患のコントロールもアトピーの治療に大切なことだとおもいます。

②皮膚炎改善かゆみがとまったら、再びかゆみを起こさないように保湿とスキンケアを
スキンケアをを十分に行い、皮膚をつやつやしたいい状態に保つ。また、皮膚を
良い状態に保つために必要なスキンケアなどの生活習慣を身につけ実行する。

③もしかゆみがぶり返してしまいひっかき傷ができてしまった
できるだけ早めに適切な対処を行うことにより、ひっかき傷がひどくならないうちに治してしまう。
この3 つがきちんとできればもう二度とひどい皮膚炎になることはないでアトピー性皮膚炎の人はかゆいので、体にできた傷をたえず自分でひっかいている。だから治らないのです。
肌あれ・アトピー性皮膚炎の治療すべき第一目標は傷の治療です。
その傷ができるもとになるのがかゆみです。そのかゆみを抑え、傷を治療するためにステロイド外用剤が必要になります。
ステロイド外用剤は30年以上も前からある薬で、強力な抗炎症作用があります。
ステロイドに対しての正しい知識を持つ医師の指導のもとで使用すれば、ステロイド外用薬は決して怖い薬ではありません。

ステロイドの誤解を解く なぜステロイドが必要なのか
非ステロイドではいけないのか?
非ステロイド剤の塗り薬(アンダーム、コンベックなど)が、小児科医を中心にアトピー性皮膚炎の治療薬として幅広く使用されています。
でもこの外用薬はかゆみを伴う炎症を抑える効果は極めて弱いので、湿疹に対して使ってもかゆみを完全に抑えることはできなければ何の意味もありません。
非ステロイド剤のぬり薬は、安全と一般に信じられていますが、接触性皮膚炎など薬を塗るとそれに対してかぶれを引き起こす(金属アレルギーと同じ理屈です)確率は非常に高く、かえって皮膚炎が悪化する可能性も高い薬です。
かゆみが止まらないのであれば非ステロイド剤を塗る利点はありません。
肌あれ・アトピー性皮膚炎の治療に一切使用しない医師もいるほどです。

ステロイドを薄めれば副作用を防げるのでは?
ステロイドを保湿剤などで薄めると炎症を抑える効果が弱くなります。副作用も
少なくはなりません。それなら弱いステロイドを塗ればいいだけですので
薄めても意味がありません。いくら薄いものでも、きちんと使わなければ副作用は出て
きます

炎症が起こるメカニズム
しっとりした肌だといろいろな刺激を跳ね返していい状態を保つことができます。
乾燥した肌はそのひび割れから悪い刺激が皮膚の中に侵入、体内の炎症細胞がそこに集まり、悪い刺激に対抗するために炎症物質(主にヒスタミン)を出します。
このヒスタミンがかゆみや赤みのもとになり、ひっかく原因になり、ひっかき傷で、益々刺激物が入りやすくなってしまう悪循環になります。
この悪循環を断ち切るため、まずかゆみを完全に止める、そこにもっとも有効なものが適切な薬剤となるわけです。
適切な時期に適切な外用薬による治療が必要なわけです。

いったん良くなっても薬をやめると、症状がぶり返してしまう?
かゆみや炎症が完全におさまる前に薬を塗るのをやめると症状が悪化します。
ぬり薬を塗るとかゆみの物質の主にヒスタミン)は、薬を塗るとすぐに産生が抑えられるので出てこなくなります。
赤みやかゆみはすぐにひいてきます。
でもかゆみを放出する親玉である炎症細胞は急には消失しません。
ここでステロイド剤の投与をやめると、炎症細胞が息を吹き返し、再び炎症物質を出すようになるので症状がぶりかえす。炎症細胞が完全にいなくなるまでステロイド剤を使用すれば、やめてもぶり返すことはありません。

ステロイドのリバウンド現象とは?
症状が完全になくなるまえにステロイドが怖いという意識が勝ってかゆみや赤みも良くなるとやめてしまう。
すると中途半端にしか治っていないので、必ずまた症状はぶり返します。
塗ると少し良くなり、やめるとまたぶり返しということの繰り返しでこの状態をリバウンド現象といいます 実際は治療が中途半端になっているだけ。

骨、内臓がぼろぼろになる?
外用薬のステロイドなら皮膚だけなので飲み薬と違い骨や内臓は影響がありません。
最近よく使われているステロイド吸入剤は妊娠中も赤ちゃんに影響がないほどです

ステロイド軟膏を塗ったまま外出すると、皮膚が黒ずむ?
実際ステロイド軟膏を塗って色素沈着が生じたという経験をいわれた患者さんのほとんどは、もともとの炎症が強いための炎症後色素沈着です。
皮膚の色が黒くなるのは皮膚のメラミン細胞(シミになる細胞)が活性化する為ステロイド剤は細胞の働きを抑制するのが主な作用なので、炎症細胞だけでなくメラミン細胞の働きも抑え込んでしまい、皮膚の色は逆に白くなります。
アトピー性皮膚炎の人の肌はところどころ黒ずんで、まだら模様になっているのはステロイドを塗っているからではなく、引っ掻くことにより、皮膚の細胞が破壊され、細胞内の色素が外に出てしまい、破壊されていない細胞の色素は残っているので、場所により皮膚の色の差ができて、まだら模様になってしまいます。
長期間炎症が持続し、ひっかいているために皮膚が黒ずんでいるのです。
炎症がなくなれば黒ずみも消失します。

皮膚が薄くなる?
長期でなければ薄くなりません。万一薄くなってもステロイド外用剤投与中止できるようになれば一ヶ月で元に戻ります。

ステロイド剤は成長障害を起こすので、小児に使用してはならない?
小児の腎臓病などでステロイド内服薬の大量使用した時は、成長障害がおこる
こともあります。ステロイド外用薬は全身に塗っても血液への吸収はごく微量です
から成長ホルモンが抑えられることはありません。

ステロイド外用薬を妊婦や妊娠可能な女性に使ってはならない?
ステロイドホルモン自体は、誰もが体内で作っています。膠原病などでステロイド内服薬を長期仕様患者さんでも、胎児に対して全く影響ません。
塗り薬では、内服時よりも量が少ないので胎児には全く影響しません。
妊娠中に薬を怖がり症状が悪化すると、かゆみや不眠のストレスが方が胎児に悪影響を与得ることも。
妊娠中にも専門家の指示沿ってステロイド外用薬を適正に使用しましょう。

眼の周りにステロイド剤を塗っていると、白内障を起こしやすい
アトピー性皮膚炎の顔面の症状が重症で、目の周りをひっかいたり、たたいたりするために、白内障や網膜剥離などの眼の合併症を生じます。
ステロイド外用薬の副作用ではありません。

長引くことが多いので、上手にコントロール
アトピー性皮膚炎はダニ、花粉、ほこり、また食物では卵、牛乳、大豆などがアレルゲン(アレルギーの原因)ではないかといわれています。
湿疹の原因を医師に調べてもらい、疑わしいアレルゲンがわかったら、医師の指示に従います。
大人になるまでにかなり改善しますので良い症状コントロールが大事です。

保湿剤、ステロイド剤、抗アレルギー剤などを処方
医師は症状によって、保湿剤やステロイド剤(副腎皮質ホルモン)の軟膏や、抗アレルギー剤を処方します。
ステロイド剤に強い不安を抱く母親も、心配して使い方を間違えると、かえって悪化させることが。薬は医師の指示を守りましょう。

日常生活は、ここに気をつけて
湿疹をかきこわすと、悪化します。子供のつめは、短く切ってやすりがけが大切。
そのときにも綺麗な肌になってくれるとうれしい などと声かけするとより効果的?
お母さん忙しいんだから、一人で爪くらい丸めて塗ってよね なんてのはだめ?かも
アトピーは親と子供と医師と3者が共同してなおすもの。気持ちは大切です。
肌にふれる下着類は、吸湿性の高い木綿製品を選びます。赤ちゃんの場合は、抱っこするママやパパの衣類にも気を配りたいものですね。
ジクジクした湿疹には、無香料で殺菌力の強い石けんを。乾燥した湿疹は、皮脂を取りすぎない弱い石けんを使います。いつも皮膚はしっとり清潔にね。