とびひ(伝染性膿痂疹)の特徴
原 因
虫刺されや擦り傷を掻いたあとなどに起きることがあり、主に「黄色ブドウ球菌」の感染が原因です。
「化膿性レンサ球菌」や、上記 2 種類の細菌の混合感染をおこすこともあります。
症 状
皮膚を掻いているうちに、粟粒~豆粒くらいの水疱ができ、中の液が透明から淡黄色に濁ってきます。
水疱は破れやすく、その部分を掻いた手で他の部分を掻くと、水疱が次から次へと広がっていきます。
数や範囲が少ないうちに治療をしないとどんどん全身に広がっていきます。
早期治療しないとひろがります
適切な内服と塗り薬ですぐに治癒 様子をみればみるほど悪化、全身に広がります。
●治療は、全身を清潔にすることです。浴槽での入浴は、他の部位や 家族にうつすので、シャワーか行水とし、石鹸の泡でやさしくこすらず洗います。
爪は短く切り、さきをやすりで丸めましょう。かきむしるとひろがり悪くなります。
伝染を防ぐためタオルは別にして、洗濯物は熱湯か逆性石鹸につけたあと洗います。
●局所の処置は、消毒薬のイソジン液(医療用うがいぐすり原液でも可)水疱はつぶし、かさぶた はのけるようにして消毒します。約 3 分間放置後、石鹸で消毒液をきれいに洗 い流します。その後、抗生剤の軟膏を綿棒などで塗布し、清潔なガーゼで薄く覆 います。カットバンはとびひを広がらせるため、使用を避けてください
●病変部が広いときは、抗生物質の内服が必要です。通常 48 時間後には乾燥し てきます。指示通りにきちんと内服しないと再度増悪することがあります。
怖いブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
発熱したら怖い
とびひのような皮膚症状に加え発熱したらすく病院へ
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群 のどや鼻の粘膜などに黄色ブドウ球菌が感染して増え、その菌からの毒素(表皮剥脱素)が血流に入って全身の皮膚に達し、全身が赤くはれたようになり、やけどのように皮膚がずるずるとはがれてくる病気です。
皮膚の症状はとびひとほぼ同じで広範囲に広がってきます
水疱性膿痂疹は同じ毒素によりますが、皮膚の一部に生じたものです。 水疱性膿痂疹と同様に0~6歳に多く、乳児や新生児では重症になることがあります。
検査と診断 皮膚にできた水疱の中には菌はいませんが、のど・鼻水・眼やにからたくさんの黄色ブドウ球菌が見つかります。
血液検査では白血球が増え、CRPも高くなります。
診断は、皮膚の状態などから比較的簡単です。
新生児がこの病気になった場合、リッター新生児剥脱性皮膚炎と呼ばれることがあります。中毒性表皮壊死症も全身の皮膚がずるずるにむけてくる病気ですが、これは薬疹の重症型で、主に大人に発生し、口のなかや陰部の粘膜も侵されます。先天性表皮水疱症は、膝や肘など刺激を受けやすい部分に水疱やびらんができる病気です。
なおるのはいつ? 学校にいけるのはいつ
学校や園によって異なる対応
とびひ(伝染性膿痂疹)は感染性があるため、ガーゼで覆えばよいというところと、登校、登園だめというところがあるようです。
急性期でひどかったり、ガーゼで覆えないようでしたら登校、登園は控えた方がよいでしょう。