チック

症状イメージ

チックのポイント
●チックとはどんな病気か
チック症とは、ピクピクっとした素早い動きなどが、本人の意思とは関係なく、繰り返しおきてしまうものをいいます。瞬き、肩をぴくっと動かす、頭をふる、顔をしかめる、口を曲げる、鼻をフンフンならすなどでこれを運動チックといいます。発声(あっ へっ 他人の言葉の反復)が反復的におこることを音声チックといいます。 本人はわざとやっているわけではなく、止めようと思っても止まりません。これら二種(運動性+音声)症状が1年以上続く場合は、トゥレット症候群と呼びます。この場合注意欠陥多動性障害や強迫性障害を併発してるかどうか確認が必要です。また1年以上続くトゥレット症候群の時には 脳波検査や継続的な投薬が必要となります。男の子が多い傾向です。

●チックの原因はなにか???
原因は不明です。一年以上続くトゥレット症候群以外は脳波やCT、血液検査ではまったく異常はありません。トゥーレット症候群は親子や兄弟でともになることがあり、遺伝もあります。 児から小学校低学年ぐらいまでの子に多く見られます。 不安、ストレス、緊張、心の葛藤などがきっかけでおきることが多いと言われていますが、そのようなことがなくてもおきている子もいます。(例えば瞬きのチック症では、実際に結膜炎のために目が痒くて目をパチパチしていたのが「クセ」になっていたり、テレビを見すぎて目が疲れたことをきっかけにして始まっていることもあります。) 本人の性格が、感じやすい、傷つきやすいなど、優しい子に多いようです。

●チックの症状の現れ方
多くは目をぱちぱちさせる、口をゆがめる、首をふるといった小さな運動ですが、ジャンプしたり、体全体を揺り動かすような大きな動きのこともあります。また咳払いや舌打ちがチックの症状である場合もあります。声が出る場合には、単純な声を出す場合もありますが、汚言症(おげんしょう)といって汚い言葉が出てしまうことがあります。  チックの症状は、本人の意思に関わりなく現れます。精神的緊張があると起こりやすく、また、ある程度起こらないようにコントロールできるようにもなります。  チックはそれ自体に苦痛はありませんが、人の前で起こると社会的に不都合な場合が多く、本人にとって精神的苦痛になることもあります。  トゥーレット症候群では、身体的なチックに加えて、汚言症などの音声チックが起こりやすく、社会生活上大きな支障になります。また、注意欠陥(ちゅういけっかん)/多動性(たどうせい)障害や強迫性(きょうはくせい)障害などをいっしょにもつことが多く、社会適応が困難になることがしばしばあります。

●チックの対処の方法
精神的なストレスや緊張感から、一時的にこのような症状のでる子は、決して少なくありません。そのほとんどが、短期間に消えていっています。 できるだけリラックスさせてあげることが必要です。うまく言えないときに、「早くしなさい」「きちんと言いなさい」というような言葉をかけたり、言わなくても態度にでたりすると、本人はますます気にして、緊張感が高くなります。そのようなことのないよう、精神的にゆったりとしていられるような環境づくりが大切です。注意したり、しかったりしないで、そのままにしていて下さい。(これは、どもりのある子に対しても同じです) チック症も程度が強いもので、本人も気にして、そのために余計症状が強く出ているような場合は、お薬で抑えることもあります。だいたいは、短期間で症状がとれていきます。 ときになかなか良くならないこともありますが、どうも周りがきちんとさせようとしていて、「こじれて」いるようです。そんなことがなければ、チック症は大きな問題ではないと、軽く考えて下さい。 長引いたり、症状が強かったり、本人がすごく気にしているようなら、お薬をつかうこともあります。生活リズムを整え日中の活動をたかめ運動することが大切です。緊張がほぐれると頻度がへるので 吃逆などと一緒で自己紹介の時に最初から学友や先生に伝えることができると 改善することもあります。1年以上続いていなければ必ず直るので心配はいりません。