咳喘息とは?
風邪が治ったのに なぜか長引く咳
風邪が治ったはずなのに咳だけが続く この咳には次のような特徴が
①咳以外ののどの痛み、発熱などの症状がない せいぜい鼻水程度
②咳がズーと続かない 出始めれば咳き込むが、咳が出ない時間がある
③横になったり、寝ているとき、朝方に多い。 よる目が覚めたり不眠にも
④5日間以上続く
⑤市販の咳止めが効きかない
⑥会話、運動、気温の変化、たばこの煙で咳き込む
のような特徴があります。
咳喘息と喘息との違いは?
喘息症状とちがいゼーゼー ひゅーひゅーがない
自覚症状としては 熱がなく 一日のうち数回咳き込む、咳き込まないときには咳がでない。
夜間や明け方に多い からはじまり 横になると咳がでる
夜間咳で眠れなくなる というように段階的に症状が変化します
その他胸写で異常がない 再発を繰り返す 肺機能検査で 異常がなどの特徴があります
咳喘息の治療は
吸入ステロイドがすごく効くのですが
喘息は元来アレルギーが原因と考えられていました。
しかしとくに成人の喘息ではその原因が気管支の慢性炎症つまりせきがつづが出続けることが喘息に移行する原因となることもわかってきました。
治療薬としてもっとも効果があるのが喘息で使用する吸入ステロイドなのですが、喘息の薬と言うことでなかなか患者さんが受け入れてくれないこともあります。
そういう場合は抗アレルギーの内服や気管支拡張剤で咳が止まらないときに使用してもらうようにしています。
咳喘息 詳しく知りたいひとのために
最近増えている病気です
咳喘息(cough variant asthma:CVA)は、ゼーゼー、ヒューヒューや呼吸困難がなく、慢性に咳
だけが続く病気です。咳喘息は喘息ではありませんが、喘息の前の段階と考えられています。
咳喘息の特徴
1. いつまでも咳だけが続く 熱や咽頭痛もなくあっても鼻水程度
2. 咳は数ヶ月から、1年以上続くことがある 咳は1日十ではなく出ない時間がある
3. かぜなどの感染の後におこることが多い
4. . 市販の咳止めが効かない
5. 咳は夜間から明け方に多く、横になるだけで出ることがある
6. 咳は夜間から明け方にかけてでることが多い
7. 気温の変化(冷たい空気) お風呂の湯気やタバコの煙を吸うと咳き込みやすい
8. 会話、電話、運動などのときに咳き込みやすい
9. かぜ薬や咳止めを飲んでも効かない
10. 気管支拡張薬が有効
その他の参考事項 胸部レントゲン検査で異常がない
アレルギー素因のある人に多い
女性に多い(男:女=1:2)
再発を繰り返すこともある などの症状があります
咳喘息の診断基準(下記の1~7のすべてを満たす)
1. 喘鳴を伴わない咳嗽が8週間(3週間)以上持続する
聴診上ぜーぜーいう音を認めない
2. 喘鳴、呼吸困難などの喘息の既往を認めない
3. 8週間以内に上気道炎に罹患していない
4. . 気道過敏性の亢進
5. 気管支拡張薬が有効 (注2)
6. 咳感受性は亢進していない (注3)
7. 胸部X線で異常を認めない
咳喘息の簡易診断(下記の1~2のすべてを満たす)
1. 喘鳴を伴わない咳嗽が8週間(3週間)以上持続する聴診上wheezeがない
2. 気管支拡張薬が有効 治療
● 風邪薬、抗生物質、咳止めは効果がありません。
気管支拡張薬、吸入ステロイド薬、抗アレルギー薬が有効ですが、確実な効果があるの
は吸入ステロイド薬です。咳喘息は気管支拡張薬が有効なことが特徴ですが、気管支
拡張薬で軽減しても消失せず、吸入ステロイド薬を必要とする場合が多いです。
●咳喘息は喘息への移行を防ぐという観点から、早期に吸入ステロイド薬を使用して気
道の炎症を抑えることが重要です。再発率が高く、咳が持続するときには3~6ヶ月続け
る必要となることがあります。咳喘息における吸入ステロイド薬の使用は「咳症状の治療」
とともに「喘息への移行を予防する」と意味があります。
経過
●適切な治療をしないと喘息に移行(約30%)しますし、再発もしやすいです。
●咳喘息とまったく同様の症状で、気管支拡張薬が効果のないものをアトピー咳嗽といいます。
この場合、ヒスタミンH1拮抗薬(ザジテン、アゼプチン、ニポラジン、セルテクト、アレジオンなど)が
と吸入ステロイドが有効です。
慢性に咳が続く病気
1. 咳喘息
2. アトピー咳嗽
3. 副鼻腔気管支症候群
4. 胃食道逆流
5. 薬剤(高血圧治療薬:ACE阻害薬)
6. その他 肺癌、気管支結核、慢性気管支炎、喘息など
診断が難しい咳喘息 ● 咳喘息は実際には8週間も咳嗽が続くか待てず乾性咳が数週間以上続き、気管支
拡張薬または吸入ステロイド薬で効果があれば咳喘息と言うことになります。
● 痰を伴わない咳が続く以外に、喘鳴があったり、呼吸困難があれば咳喘息ではなく、気
管支喘息喘息です。
● 咳喘息と考えがちな病気に副鼻腔炎(蓄膿)による副鼻腔気管支症候群があります。
この場合は咳以外に、痰を伴うことが多く、後鼻漏(鼻汁がのどに垂れる)、鼻汁、咳払
いなどの症状がしばしば見られます。
その他、慢性に咳が続く病気としては、慢性気管支炎、びまん性細気管支炎などの気
管支病変、肺癌、気管支結核、薬剤、胃食道逆流(逆流性食道炎)などがあります。
吸入ステロイド薬を使用しても効果がないときは、このような病気も考えられます。
増え続ける咳喘息
●咳喘息で受診される患者さんの数が年々増加しています。咳喘息に対し吸入
ステロイド薬を使用すると経過は非常に良好ですが、症状が改善するため患者さんが早め
に治療を中断してしまうことが多く、再発することが多い病気です。