不登校

症状イメージ

不登校のポイント
●不登校とはどんな病気か
不登校とは、何らかの症状や不安を訴えて、学校に行っていない状態を示す言葉です。

●不登校の原因とは
原因は大きく分けて次の3つがあります。親から離れることへの不安(分離不安)、学校での失敗や叱責に対する不安や恐れ、いじめ、です。  これらに加え、子どもの年齢、性、学校環境、家族構成など、さまざまな要因が関係します。病気やけが、手術、学校の休み、旅行、転居、転校、クラス替え、友だちの転校、身内の人の病気や死亡、試験の失敗、教師による叱責、給食での偏食、仲間はずれ、いじめっ子による嫌がらせなどがきっかけになることが多く見受けられます。 学校生活が原胃となる場合
①友人関係
何かをきっかけにクラスメートからイジメにあったり、無視されたりすれば当然学校へは行きたくなくなりますし、親友とちょっとしたことで仲違いしたりしても不登校のきっかけになります。「友人関係をめぐる問題」は子供たちにとって、最も重要な問題なのです。
②教師との関係
学校には良い先生だけがいるわけではないのです。中には質の悪い先生もいます。また、例え良い先生であってもお互い人間同士ですから、相性という問題もあります。子供にとって良い先生に巡り合えるかどうかは学校生活を送る上で重要な問題です。
③学業不振が原因となる場合
勉強ができないと子供は授業が耐え難いものになってきます。それ以上に休み時間を楽しむたくましい子供もいますが、全員がそういうわけではありません。勉強が世の中の全てではありませんが、わからない授業を聞き続けることもかなり苦痛なものです。

●不登校の症状の現れ方
朝、いろいろな体の症状(頭が痛い、気持ちが悪い、おなかが痛い、ふらふらするなど)を訴えて、登校をしぶることから始まります。親に学校に行かなくてよいといわれるとおさまります。学校に行くようにいわれると、泣いたり、不機嫌になったり、暴れたり、部屋に閉じこもったり、食べなくなったりします。  不安や焦(あせ)りを感じていたり、無気力でうつ状態になっていたりする場合もあります。慢性化すると昼夜逆転した生活となり、外出せず部屋に閉じこもり、学校に無関心になります。

●不登校の検査と診断
体の病気(甲状腺機能低下症)や、うつ病などの精神の病気が原因となっている場合もあるため、医師の診察を受けることは必要です。

●不登校の治療
小学校低学年までの場合や不登校の初期では、親がついていくなどして登校をすすめていくうちに解決することが多いようです。しかし、小学校高学年以上のケースや慢性化したケースでは、子どもが登校しないことによって何を訴えようとしているのか、子どもは何を必要としているのかを考えることが大切です。  学校に行かない理由がわからないうちに、安易に登校を促すのは無意味です。子どもの訴える不安や恐れを理解し、安心させるよう努めます。家庭や学校で、子どもにとって安心できるような環境をつくれるよう、調整することも大切です。不安が強い場合には、段階的に学校にもどるようにするとよいでしょう。

●不登校に気づいたら
さまざまな体の症状があり、子どもが登校を渋ることが続く場合、医師の診察を受けましょう。分離不安の場合には、子どもが慣れるのを待ちましょう。慣れるまで親がいっしょに登校するのもひとつの方法です。  学校で恥をかくことに不安や恐怖を感じている場合、先生と話し合い、子どもに対して優しく接してもらうようにしましょう。親と学校の先生が協力して、いじめなど、不安や恐怖の原因となる状況をなくすよう努力しましょう。不安や恐怖感の強い子どもをがんばらせないことが大切です。

●不登校の子どもとの接し方
①プレッシャーをあたえすぎない
大人がプレッシャーに感じないものでも、プレッシャーに感じてしまうことがよくあります。 子供をよく観察して、プレッシャーを受けていると感じたときは、そこから発生するストレスや身体が発する危険信号の見分け方を、子供に教えてあげましょう。そして、その見分け方を身に付けさせた上で、その対処法を子供に教えてあげましょう。 プレッシャーをあたえつづれるというこれまでの考え方がいかに “自分自身や子供を苦しくさせてしまっていたか”という事に気が つくことも大切なのです。

②ではストレスがなければよいのか???
家庭内のルールとは、そういった親の愛情を、子供に伝えるためのものです。それと同時に子供に対し、あなたは家族の一員であるのだと伝えるためのもでもあります。 ルールは厳しすぎてもいけませんが、ゆるすぎてもいけません。 ゆるすぎるルールや、こどもの好き勝手を許すのは、親のことなど無視しなさい、と言っている様なものです。 ルールがほとんどない家庭で育つと、その子供は他人の気持ちがわからない子供に育ちがちです。 自分と他人との役割や、していい事としてはいけない事の違いがわからなくなり、自己中心的な無責任な子供に育つ可能性が高いです。 家族が平和に暮らしていき、子供が素直に成長していくためには、家庭の中に必要最低限のルールは必要です。 ルールを守ることによって、子供は他人の気持ちや思いやりを理解する大人に育つのです。

③親も約束を守る姿勢が大切
子供は、親が約束を守るものだと信じています。 子供のときは それは絶対的なものですし、高校生になっても態度に表さなくても、心の中ではそう思っているものです。そう信じられるからこそ、家庭は安心できる場所なのです。 もし、親が何回も約束を破れば、もはや家庭は安心できる場所ではなくなります。約束を守るということは、お互いを大切にするということです。約束を守りながら、子供はお互いを大切にするということを、学んでいくのです。 しかし、どうしようもない理由で、約束を守れないこともあるでしょう。その時は、その理由をしっかり理解してもらうことが大切です。理解してもらえれば、信頼関係は崩れないでしょう。 理由も説明せずに、何回も約束を破ることは最悪です。子供は親に期待するのをやめ、心は親から離れていくでしょう。

●何度も失敗を繰り返させないように助ける
大人でも何回も失敗を繰り返すと落ち込みます。ましてや、子供の場合、その落ち込み度合いは大人の比ではありません。 失敗を繰り返すうちに、どうせ失敗するなら最初からやらなければいいんだという考えがしみこんでしまう可能性もあります。 大人がしっかり観察してあげる必要があります。道は一つではないのです。何かに失敗しても、違う成功する道は絶対にあるのです。それに失敗した事だって、ちょっとやり方を変えれば成功するかもしれワせん。 子供は気持ちの浮き沈みが激しいです。失敗が繰り返されると大きな挫折感を味わいます。よく子供を観察して、そういう時は励ましてあげてください。

●不登校は子どもをなおすのではない
不登校の治療は親子関係、子どもの友人関係、学校関係すべてがかかわってきます。親の教育だけで不登校が起きるわけではありません。ですが親御さんの接し方は治療にとても大切です。 どうして不登校になったのかの原因を知ることです。なぜお子さんは、苦しんでいるのか  なぜお子さんは、悩まずにはいられないのか  なぜお子さんは、昼夜逆転の生活をしてしまうのか  なぜお子さんは、荒れ狂わずにはいられないのか  なぜお子さんは、学校へ行く事ができないのか 子どもが不登校になりたくてなっているわけではない そうならざる終えない状況があることを理解することです。 子どもが学校に行けていないことに苦しんでいる事実を親が受け入れ こどもが受け入れられる価値観をお互いに共有していくことが大切です。