伝染性単核症

症状イメージ

伝染性単核球症と診断された方、およびご家族の方へ

はじめに:この病気の3つのポイント

まず、この病気で最も大切なことを3つ、お伝えします。

  1. 「長引く風邪」のような症状が出ますが、原因は特別なウイルスです。
  2. 治療の基本は**「安静第一」**薬は処方されます。免疫力を高めるために自覚症状をできるだけ改善し 熱を下げ リンパ節の痛み 喉の痛みを軽減させて食事がきちんととれるようにするためです。 でも特効薬ではなく 禁煙 禁酒 睡眠時間7時間以上 入浴シャワーは禁 体を拭くだけが一番治りが早いです。食事が食べられないときには病院で連日点滴が必要なことも
  3. お腹(特に左側)を絶対に強くぶつけないでください。(理由は後述します)

Q1. 伝染性単核球症って、どんな病気?

EBウイルスやサイトメガロウイルスという、ありふれたウイルスによる初感染が原因です。唾液を介して感染することから、欧米では「Kissing Disease(キスの病気)」というニックネームがあります。

  • 感染経路: 主に唾液に含まれるウイルスが、口の粘膜から体内に入って感染します。飲み物の回し飲み、食器の共有、兄弟間の濃厚な接触などが原因となります。
  • 多くの人は子供の頃に感染済み: 日本では、多くの方が幼少期に知らないうち(無症状〜軽い風邪程度)に感染し、すでに免疫(抗体)を持っています。そのため、大人が初めて感染して、はっきりとした症状が出るケースは比較的稀です。
  • 一度かかるとどうなる?: ウイルスは体の中からいなくなってしまうわけではなく、一生涯、静かに体の中に潜伏します。普段は全く問題ありませんが、免疫力が極端に落ちた時などに、ウイルスが再活性化することがあります。

Q2. どんな症状が出ますか?

多くの場合、症状は風邪とよく似ていますが、より長引くのが特徴です。

  • 主な3つの症状
    • 発熱: 38〜40℃の高熱が、数日から1〜2週間続くことがあります。
    • 喉の痛み(咽頭痛): 扁桃腺が真っ白な苔(白苔)で覆われるほど、強く腫れて痛みます。
    • 首のリンパ節の腫れ: 首の周りのリンパ節が腫れて、痛みを伴うことがあります。
  • その他の症状
    • 全身の倦怠感: 「鉛のように体がだるい」と表現されるほどの強いだるさが、数週間続くことがあります。
    • 肝臓や脾臓の腫れ: ウイルスがこれらの臓器で増殖するため、腫れることがあります。お腹の張りや吐き気、食欲不振の原因になります。
    • まぶたの腫れ、鼻づまり、発疹など。

【重要】よく似ている病気:「化膿性扁桃腺炎」との違い

「喉が真っ白で高熱が出る」という点で、この病気は**「化膿性扁桃腺炎(溶連菌感染症など)」**と非常によく似ています。しかし、その正体と治療法は全く異なります。

項目 伝染性単核球症 (IMN) 化膿性扁桃腺炎
原因 ウイルス(EBウイルスなど) 細菌(溶連菌など)
喉の様子 白い膜がべったりと付着 赤く腫れ、白い膿の斑点が付く
全身症状 強いだるさ肝臓・脾臓の腫れ、まぶたの腫れが特徴的 喉の症状が中心で、IMNほどの全身症状は少ない
診断の決め手 血液検査(異型リンパ球、ウイルス抗体) 喉の検査(迅速検査、培養)
治療薬 特効薬なし(安静第一) 抗菌薬(抗生物質)が有効
注意点 ペニシリン系抗菌薬で発疹が出やすい 抗菌薬をしっかり飲み切ることが重要

Q3. どんな治療をしますか?

このウイルスに直接効く特効薬はないため、ご自身の免疫力がウイルスを抑え込むのを助ける**「対症療法」**が治療の中心となります。

  • 基本は安静: 免疫力が十分に戦えるように、体を休めることが何よりの治療です。
  • お薬:
    • 熱や喉の痛み リンパ節の痛みに対しては、解熱鎮痛薬を処方します。
    • 肝臓の機能を助ける肝庇護薬を使うこともあります。
    • ステロイド: 扁桃腺の腫れが非常に強く、呼吸が苦しい場合や、重い合併症が起きた場合に、入院の上で限定的に使用することがあります。食事がとれないときには連日点滴が必要になることもあります
  • 【補足】抗菌薬(抗生物質)が処方される場合とは? 先ほど、伝染性単核球症はウイルスが原因なので、抗菌薬は効かない、とご説明しました。しかし、ウイルスと戦って喉の粘膜が弱っているところに、さらに**「細菌」が入り込んで、ダブルで感染を起こすこと(二次感染・混合感染)**が少なくありません。

    医師が喉の所見や検査結果から、この細菌感染の合併を強く疑った場合には、ウイルスと戦う体力を助けるために、その細菌を退治する目的で、あえて抗菌薬を処方することがあります。

    その際も、発疹のリスクを避けるため、ペニシリン系以外の、安全に使える種類の抗菌薬が慎重に選ばれます。ウイルス感染症なのに抗菌薬が出た、と不思議に思われるかもしれませんが、このような理由があることをご理解いただけますと幸いです。


【最重要】ご自宅で気をつけていただきたいこと

① とにかく安静!焦らず休みましょう

肝機能が正常化し、だるさが取れるまでは、無理は禁物です。学業やお仕事のことも心配だと思いますが、ここで無理をすると回復が遅れてしまいます。

② 脾臓破裂の予防!お腹をぶつけないで!

この病気で最も注意すべき合併症が**「脾臓破裂」**です。 ウイルスによって脾臓が腫れて脆くなっているため、健康な時なら何でもないような軽い衝撃(転ぶ、お腹にボールが当たるなど)で、脾臓が破裂し、大出血を起こす危険があります。

  • 少なくとも2週間は、体育や部活動、喧嘩、満員電車など、お腹をぶつける可能性のあることは、絶対に避けてください。
  • 急にお腹、特に左上腹部に激しい痛みを感じた場合は、夜間休日を問わず、直ちに医療機関を受見してください。

③ 食事と水分

  • 喉の痛みが強い時は、おかゆや豆腐、ゼリーなど、喉ごしの良いものを。酸味の強いものや香辛料は避けましょう。血糖をあげることが病状の改善に最適です。ハーゲンダッツ110ml300kcalはアイス中カロリーが最も高いので 1日3個食べられることが出来れば劇的に回復します。バニラとチョコ ナッツ クッキーが一番カロリーが高く ストロベリーと抹茶はカロリーが240kcalまで低下します。ファミリーセットであれば 1日6個たべらる必要がありレギュラーサイズがお勧めです。同じアイスクリームでもレディボーデン バニラ 168 kcal サーティワン バニラ レギュラーサイズ221 kcal スーパーカップバニラ 206kcal  ピノ6個入り186kcal  だとコンビニはとても高いので安いスーパーを探しましょう。
  • 脱水を防ぐため、水分はこまめに摂ってください。

こんな時は、すぐに相談・受診してください

  • 水分が全く摂れず、ぐったりしている 点滴して改善が必要です
  • 呼吸が苦しい、ゼーゼーする 点滴して呼吸機能の改善が必要です
  • お腹に今までにない激しい痛みを感じる 緊急です入院の必要なことも
  • 意識が朦朧としている 緊急です入院の必要なことも

「慢性活動性EBウイルス感染症」について

ごく稀に、ウイルスがうまく抑え込めず、数ヶ月以上にわたって発熱や肝臓・脾臓の腫れ、血球減少などが再発・持続する「慢性活動性EBウイルス感染症」という重篤な状態に移行することがあります。蚊に刺された跡がひどく腫れ上がる(蚊刺過敏症)などの特殊な症状を伴うこともあります。もし、一度下がったはずの熱が何度もぶり返すなど、ご心配な点があれば、ご相談ください。