ジアノッティ病とジアノッティ症候群(Gianotti-Crosti症候群)

B型肝炎ウイルスの初感染で生じる病態をジアノッティ病(Gianotti病)、B型肝炎以外のウイルス感染症で、Gianotti病ににた症状をジアノッティ症候群といいます。
頻度★
要点
皮膚症状・風邪様症状で出現します
肝機能障害を起こす事が有り、B型肝炎罹患がはっきりしたときにはそれに対しての治療が必要となる事があります。
B型肝炎以外のものによって起こるものは対処療法が主体ですが肝機能上昇を伴うものは採血により肝機能チエックも必要となります

ジアノッティ病
ジアノッティ病とは
ジアノッティ病はB型肝炎ウイルス初感染で生じる0歳から3歳くらいによく起こる病気です。
ジアノッティ病の症状は
皮膚症状:手足の先から始まり、3~4日の間に大腿、上腕、顔面へ広がっていきます。米粒大の充実性丘疹、紅斑や紫斑、膨疹なども起こります。
比較的全身症状は軽度でリンパ節を触知、肝臓腫大することもありますが、黄疸はほとんどみられません。
ジアノッティ病の検査は
肝機能はごく初期は正常ですが、約1週間でAST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、γ-GTPなど上昇があり、正常にもどるまでに3~6か月もかかることもあります。
ジアノッティ病の治療は
対症療法および安静が必要です。キャリア化することがあるため、家族や本人の周囲の人々の抗体検査を行い、HBワクチン接種を行ったほうがよい時もあります。HBeAg陽性の場合は、入院させ、インターフェロン、抗HBsヒト免疫グロブリン等の治療が必要となる事もあります。

 

ジアノッティ症候群(Gianotti-Crosti症候群)
ジアノッティ症候群とは
B型肝炎以外のウイルス感染症で、Gianotti病ににた症状をジアノッティ症候群といいます。1~2歳に多くEpstein-Barrウイルス、サイトメガロウイルス、Cox-16などのほかに、HAV、HCV、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、エコーウイルス7、9、ロタウイルスや、3種混合ワクチンやインフルエンザワクチン接種後に発症した例もあります。

ジアノッティ症候群の症状は
皮膚症状:症候群のほうが、そう痒が強く、Koebner現象という掻いた後に皮疹がみられることが起こりやすいです。点状ないし米粒大の紅色小丘疹、紅斑、小水疱、紫斑が混在することもあります。ジアノッティ病と童謡に手足の先から始まり、左右対称に広がっていきます。顔の頬やお尻に紅色小丘疹ができます。
全身症状:症候群ではかぜ様症状がでて発疹とほぼ同時期に熱発、全身リンパ節が腫れます。肝機能異常はジアノッティ病ほどは起こらす肝臓も腫れません。
蕁麻疹、多形紅斑、伝染性紅斑、疥癬などとの鑑別が大切です。
ジアノッティ症候群の検査は
ウイルス感染症にみられる所見として、白血球数の一過性の減少、分画では単核球・リンパ球の増多、血小板数の減少、CRPの軽度上昇などがみられます。
ジアノッティ症候群の治療は
原因ウイルスの検索は難しく、ウイルスごとに治療法が異なるわけではないので、かゆみがひどければ抗ヒスタミン剤を服用させ、皮膚症状やそう痒が顕著な例ではステロイド外用薬を用いる場合もあります。