上室性期外収縮
要点
上室期外収縮とは、基本調律よりも早期に生じる上室(心房・房室接合部)からの興奮波である。

(1)上室性期外収縮とは
 期外収縮は、出現部位により心房性、房室接合部、心室性外収縮に大別され、心房と房室接合部、つまり心室より上の期外収縮を上室期外収縮と呼びます。24時間心電図をするとそのほとんどに数発は上室性期外収縮がみられます。ただ数が増えると心房細動・心房粗動に移行しやすいとされています。ほとんど自覚症状はありませんが、基礎疾患として心臓の病気(高血圧・心筋症・弁膜症)がないか、甲状腺機能亢進症、貧血がないかをチエックします。検診などでなんの追加検査もせず心配ないとされることが多い不整脈ですが、実は24時間心電図や基礎疾患の有無は一度はきちんと検査した方がよいでしょう。

(2)上室性期外収縮のポイント
 24時間心電図などで発作性心房細動・粗動などがあるようでしたら、その治療が必要となることがあります。心電図により次の収縮の用意ができるまえに期外収縮が起こり幅広い波形となる(右脚型または左脚型変更伝導)やさらに時間が短く刺激がつたわらなく脈が少なく感じる非伝導性心房性期外収縮などがみられることもあります。基礎疾患のない上室性期外収縮は心配いりません。

(3)上室性期外収縮の治療
 動悸がひどいときには、ホルター(24時間)心電図で上室期外収縮の起こっているときと症状がある時が一致するか否か確認が必要です。症状起こり方により治療方針が変わります。昼間労作時に多いなら少量のβ遮断薬(メインテート・テノーミン等)という薬を、夜間安静時なら抗不安薬(デパス・リーゼ)などのを服用します。

(4)上室性期外収縮のまとめ

 

心臓は、電気刺激が一定のリズムで現れ、規則的な拡張と収縮を繰り返しています。通常、洞結節とよばれる場所で発生していますが、心房で電気刺激が発生し、正常より早く収縮する、これが上室期外収縮で、不整脈の一種です。健康診断で見つかるケースが多いです。

無症状の場合もあれば、強い動悸がしたり、胸が一瞬詰まったり、脈が飛んだ感じを受けるなど、症状はさまざまです。

心臓弁膜症や虚血性心疾患、甲状腺機能亢進症、貧血などの病気が原因となり、睡眠不足やストレスなどで増悪します。

原因となる病気が原因だと治療が必要となります。

診断では、24時間心電図、運動負荷心電図、甲状腺ホルモンや貧血などの検査を行います。

必要に応じて、抗不整脈薬などが処方されます。

普段の生活で気をつけてほしいこと

  • ストレスや疲労をためないようにしましょう。
  • お酒を飲み過ぎ・カフェインの含まれる飲み物をたくさんとらないようにしましょう。 動悸などの症状が増えるときは医師に相談を