心室性期外収縮
頻度★★★★
要点
心室性外収縮とは、基本調律よりも早期に生じる心室からの興奮波。

(1)心室性期外収縮とは
 心室期外収縮とは、通常の心室の刺激より早期に起こり、心房波(P波)を伴わない幅広いQRS波であり、歳を重ねるとともに増加する。24時間ホルター心電図で一日に数発は大半の人にみられる不整脈です。心室期外収縮があった時には、症状の有無、出現頻度、血行動態への影響、基礎心疾患の有無を検査します。胸の写真、検診ではなく病院での12または15誘導心電図、24時間心電図、心臓エコーの検査は期外収縮の重症度判定に重要です。

(2)心室性期外収縮のポイント
 24時間心電図により自覚症状と不整脈の出現時期が一致するか確認します。その後心エコーなどから基礎疾患の有無を確認、基礎疾患がないときには特発性心室期外収縮と診断します。特発性心室期外収縮は、失神発作などの症状、期外収縮の出現頻度が著しく高く左室収縮能の低下が見られるときには治療が必要となります。器質的心疾患があり心室期外収縮が頻発する時には、胸のX線や採血(BNP)を測定します。BNPとは心臓(心室)から分泌されるホルモンで、心臓に負荷が増えたり心筋の肥大がおこると増加します。

(3)心室性期外収縮の治療
 特発性心室期外収縮は症状が軽度のときには生活習慣の改善、あるときは期外収縮の波形により治療法が異なります。症状があり24時間心電図で20000発以上起こるとき、運動したときに心室期外収縮の連発が起こるときには治療が必要となります。カテーテルによる異常伝導路を遮断する手術を行うこともあります。右脚ブロック形で左軸偏位があるときにはカルシウム拮抗剤、ベーター遮断薬、左脚ブロック形で右軸偏位があるときにはベーター遮断薬、かカルシウム拮抗薬を、そのほかの波形で運動、活動により増加するときにはベーター遮断薬を運動などに関連無く起こるときにはNa遮断薬という抗不整脈薬を使用します。
器質的心疾患に合併するときには心機能や心筋梗塞の既往の有無により治療法が異なりますが、まず心不全の増悪や電解質異常の治療を行います。不整脈薬を使用するときにはベーター遮断薬やアミヲダロンを使用します。

(4)上室性期外収縮のまとめ

心室期外収縮とは、心拍のタイミングが、通常より早く心室から生じる不整脈をいいます。

症状としては、動悸や収縮を強く自覚したり、胸がもやもやしたりします。脈を診ると脈が抜けてとぶことがあります。

健診などで指摘され症状を伴わない場合と、脈のとんだ感じや動悸、脈を強く感じることがあります。

過労、睡眠不足、ストレス、飲み過ぎなどが誘因になります。また、心臓に病気をもっている場合に多く認められます。

期外収縮そのものは誰にでも見られるものですが、自覚症状と重症度が一致しないことも多くあります。不整脈の数が一日に45000発あった人は自覚症状がなく、治療開始後、不整脈の数が3000発に減って初めて動悸を感じました。心臓の器質的疾患がある場合や、症状が強い場合は治療します。基礎疾患がなく、自覚症状を伴わない場合にも、年1回は病院で通常の心電図と24時間心電図をすることが勧められます。

不整脈が起きやすい病気が隠れていないかを確認するために、心臓超音波検査を行います。

この病気を指摘されれば一度は24時間心電図を行う方がよいでしょう。頻度が多ければ24時間心電図を定期的に行う必要があります。

治療法としては、抗不整脈薬を投与、もしくはカテーテル治療を行います。

抗不整脈薬は脈を抑える薬です。発作の出現を抑えると同時に、安静時の脈拍も低下させます。

症状などで気になるときは担当医に相談しましょう。

生活面では極度の制限はありません。

普段の生活で気をつけてほしいこと

  • 睡眠不足を防ぎましょう。生活リズムを保つことが大切です。運動制限は必要が無いことが多いので主治医に確認しましょう。

  • 喫煙はやめましょう。カフェインが多く含まれているものも控えましょう。
  • 規則正しい生活を行い、二日酔いなど暴飲暴食を避けましょう。
  • ストレスを回避しましょう。