動悸
要点
動悸とは心臓の鼓動が不快と感じる事 きちんと診察をうけずに精神的なものと考えるのが危険な症状

(1)動悸の種類の見分け方
動悸の原因は ①不整脈 ②心臓以外の病気による頻脈 ③精神的なもの ④薬剤・アルコール・カフェインがある
①不整脈
動悸がしているときに来院できないことがほとんど そのため動悸の時脈をとることが大切
●一分間に何拍打つのか 15秒はかって4倍してください
●リズムを覚えてください
とく とく とく とくとく とく とく とく とくとく とく
脈が120以下が多い 脈が飛んだ後もリズムが一定→心室性期外収縮
とく とく とく とくとく・・とく とく とく とくとく・・
脈が120以下が多い 脈が飛んだ後にリズムが乱れる→上室性期外収縮
とく とくとくとく とくとく とく とくとく とくとく
脈はかなり速め モールス信号のように乱れ打ち→心房細動心房粗動
とくとくとくとくとくとくとくとくとくとく
同じリズムで脈拍数が150以上200近くなることも→発作性上室性頻拍
とく とく とく とく とく とく とく とく とく   同じリズムで速いだけ100以上140以下→洞性頻脈
リズムがわからないときには脈をとりなが口でとくとくとくとリズムに合わせている動画や録音をとって担当医に見せるのもgoodです
●動悸の起こった状況と時間・不整脈の続いた時間も記録しましょう(労作時 安静時 飲酒 コーヒー けんかやイライラの時 など)
●動悸と同時に起こる症状を記録しましょう(失神 めまい 胸痛 呼吸困難や息苦しさなど)
●血圧計があれば血圧も測定しましょう
●病院受診の時に現在飲んでいる薬・サプリを記録していきましょう
●心電図のコピーをもらいましょう
検診でも病院受診の時でも発作時のものと比べられるように心電図のコピーをもらいましょう
●胃切除後ではダンピング症候群が動悸の原因となるので手術歴を医師に伝えましょう
●子供の頃に動悸発作あり 深呼吸やいきみでおさまる 動悸の後におしっこに行きたくなる→発作性上室性頻拍
●めまい 気の遠のく感じ 失神→心室性期外収縮

心臓が原因の不整脈リスクは
○男性
○脈が不整である
○心疾患の既往がある
○動悸の自覚が5分以上続く あてはまるものがゼロなら心疾患の可能性はほとんどなく 3項目で70%以上

他にも狭心症 冠痙攣性狭心症 高血圧などでも動悸が起こることがある

②心臓以外の病気による頻脈
○労作時に動悸→貧血 心不全 喘息 肺気腫
○起立時に動悸→起立性低血圧
○食事と関連した動悸→低血糖発作・ダンピング症候群(胃切除の病歴がある人)
○安静時に動悸 動悸
発汗 いらだち 体重減少→甲状腺機能亢進症
突発的な動悸 高血圧 頭痛 手足が冷たい 起立性低血圧→褐色細胞腫(高血圧と頭痛がなければ否定的)

③こころの病気
④薬剤・カフェイン・アルコール

(2)動悸の検査
①心電図 ホルター(24時間゜)心電図
動悸が起こっていないときでも心電図を3分間ながして不整脈をチエック
当院では電話予約されれば24時間心電図は当日装着、翌日脱着後15分後には診断がつきます。
動悸が虚血性心疾患(狭心症)の症状の一つであることも 胸痛・肩の痛みなどが同時にないか注意してください
②採血(全身の病気による動悸を検査)
血液検査で貧血 甲状腺機能亢進症 ダンピング症候群 褐色細胞腫などの病気が無いかを調べます。
③薬剤・アルコール・カフェインのチエック
健康食品も含め薬剤の影響がないか医師と相談しましょう
④こころの病気のチエック
精神的な病気という診断は他の病気でないことが証明されてからのことです。
また発作性上室性頻拍とパニック発作との同時に起こっていることもよく知られています。

(3)動悸は甘く見ないこと
動悸は心臓だけでなく全身の病気からもくる症状です。自己判断せずかかりつけの先生によく相談しましょう。
動悸は治療可能なものが大半です。命に関わる不整脈もあるので要注意です。